ヴィンテージポスターの紹介、2回目です。
今回はフランスポスターの中でも個人的に好きな作家のHerva Morvan(エルベ・モルヴァン)のポスター1981年 オフセット印刷を紹介します。

作品情報
作品: Jeunese au plein air(la chevre)子供は外で遊ぼう
作家:Herve Morvan(エルベ・モルヴァン)
制作年:1981年
印刷方法:オフセット印刷
サイズ:57.0 x 77.0 cm
保存方法:リネンバック
リネンバックとは
リネンバックとは、ポスターや版画、アートプリントなどの紙作品の裏面にリネン(麻布)を裏打ちし、補強・保存性を高める加工のことです。紙の波打ちや折れを防ぎ、平滑性を保ちながら長期保存や額装に適した状態に整える役割があります。
日本でもこの加工は主に美術印刷やヴィンテージポスターの保存・展示の場面で行われており、専門の職人が一枚ずつ丁寧に裏打ちを施します。湿気の多い日本の気候に合わせて、裏打ち用の糊や素材の選定にも工夫が凝らされており、美術館やギャラリーなどでも広く用いられています。
作品詳細
レイモンド・サヴィニャック(Raymond Savignac)に比べるとマイナーかもしれませんが、個人的にはモルヴァンの方が好きな作家です。
この作品は1961年から1982年にかけて毎年1枚発表されていた”子供は外で遊ぼう”Jeunese au plein airの1981年のものになります。
Hervre Morvanは1980年に死去していますので死後発表された作品になります。

作家について
Hervé Morvan(エルベ・モルヴァン)は1917年、フランス・ブルターニュ地方に生まれたグラフィックアーティストで、20世紀を代表するポスター作家の一人です。幼い頃から絵に親しみ、戦後のフランスにおいて商業美術の発展とともに活躍しました。
彼の作品はユーモラスで温かみのある作風が特徴で、特に子どもや動物をモチーフにしたデザインが多く、親しみやすさと視覚的インパクトを両立させたスタイルで人気を博しました。ミルクやお菓子、飲料、映画など、数多くの広告ポスターを手がけ、日常に溶け込むアートとして多くの人々に愛されました。
1950年代から1970年代にかけてはフランス国内のみならず海外の広告も担当し、モダングラフィックの先駆者として国際的な評価を確立。1980年にその生涯を閉じるまで、広告美術の発展に多大な貢献を残しました。
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