広島市環境局中工場(Naka Incineration Plant Hiroshima) 2004 谷口吉生 (Yoshio Taniguchi)

広島市環境局中工場外観

2023年の夏に広島を訪れる機会があり、広島平和記念資料館を設計した丹下健三(Kenzo Tange)と関係の深い建築家が時代を超えて繋がる建築物があると聞き、谷口吉生(Yoshio Taniguchi)の設計したゴミ焼却場を訪問しました。

広島市環境局中工場とは

この建物は同地にあったゴミ処理場が“ひろしま2045:平和と創造のまち”というプロジェクトの一環で整備されたものです。
このプロジェクトは被爆50周年を記念し、1995年に開始したものでデザイン力に優れた設計者を選定、起用することで個性的で魅力ある都市景観の想像をしようとする試みとのことです。
このプロジェクトの趣旨通り、通常ゴミ処理場は汚くて薄汚れた印象や嫌にポップなイラストが描かれていたり奇抜なデザインだったり(大阪市のゴミ処理場などが好例だと思いますが)しますがこのゴミ処理場においては外観は直線的でシンプルな構造、何かの製造工場を思わせるような作りでエコリアム(「エコロジー」と「アトリウム(広場)」を結びつけてできた造語)と呼ばれるゴミ処理場を南北に貫く空間は3面がガラス張りの構造でゴミ処理場の内部のプラントが見えるような作りになっており、その光景も現代美術の展示品のように美しく見えるような作りとなっています。

建築家について

こちらの作品の建築家は谷口吉生(Yoshio Taniguchi)(1937.10.17-)父親は同じく建築家の谷口吉郎(Yoshiro Taniguchi)(1904.6.24-1979.2.2)です。
ハーバード大学建築学科大学院修了後、東京大学都市工学科の丹下健三研究室及び丹下健三都市・建築研究所に所属、その後独立して数々の作品を発表。

代表的な作品としては山形県酒田市の土門拳記念館(1983)、香川県丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館(1991)、東京都台東区の東京国立博物館 法隆寺宝物館(1999)、香川県坂出市の香川県立東山魁夷せとうち美術館(2004)、ニューヨークのニューヨーク近代美術館 新館(2004)、石川県金沢市の鈴木大拙館(2011)、京都市東山区の京都国立博物館 平成知新館(2014)、東京都中央区のGINZA SIX(2017)、石川県金沢市の谷口吉郎・吉生記念金沢建築館(2019)などがある。
特徴としては直線的でシンプルなデザインが多く水盤等を使用し建築物だけではなく空間との調和を考えられている建築家だと思います。

広島市環境局中工場外観
広島市環境局中工場外観
広島市環境局中工場から瀬戸内海を望む
広島市環境局中工場外観
広島市環境局中工場外観
広島市環境局中工場内部

丹下健三設計の広島平和記念資料館との関係

平和記念公園には南北に原爆ドーム、平和の灯火、原爆死没者慰霊碑、平和記念資料館本館が一直線に配置されています、これを平和の軸線と呼ばれています。
この南北の軸線と東西に貫く平和大通りが横軸として存在しています。
丹下健三はシンボルとして原爆ドームを起点とし、そこから祈りの場を配置することによって平和公園一帯を祈りと平和を作り出していく場所にしたいという強い決意を感じるデザインとなっています。

この平和の軸線丹下健三の元で建築を学んだ谷口吉生は50年近くの時を超えて瀬戸内海まで大きく伸ばす建築を設計しました。
この設計は丹下健三谷口吉生との関係、原爆の被爆地となった広島の昔と今という色々なものが重なり合った上で存在するものだと思います。
また、このコンペで谷口吉生の計画に決まったというのも色々な繋がりというものを感じます。

アクセス

住所:〒730-0826 広島県広島市中区南吉島1丁目5−1
広島駅から行く場合は広島バスの24系統 吉島営業所行きがもっとも便利だと思います。
料金は220円(2023年10月29日現在)バスの乗車時間は30分程度、広島駅から丹下健三設計の広島平和記念資料館を通り平和の軸線と呼ばれる吉島通りを通るルートとなりバスの車窓から広島の風景を見るのも非常に楽しいひと時となります。
私が訪問した際、帰りのバスでは広島球場で広島カープの試合があったため、停留所ごとに次々とカープファンが乗ってきた事が印象的でした。

最寄りのバス停

車で行く際は近くに無料の駐車場がありますのでそちらを利用する形になります。

見学について

工場周辺の緑地帯からの外観見学やエコリアムの見学はAM9:00からPM4:30まで特段申込み不要で見学可能です。
見学可能日:年末年始(12/29から1/3)以外は毎日可能
※エコリアムについては悪天候の場合封鎖されることがあるようです。

最後に

元々、丹下健三の建築物が好きで色々なところに観にいく機会がありましたがその時には広島市環境局中工場の存在は知りませんでした。ところがテレビや雑誌で見る機会があり一度訪問してみたいとは思っていましたがなかなか訪問する機会がなく2023年に初めて訪問することが出来ました。
広島は原爆投下という悲劇を経験した街ですがそこに丹下健三の平和記念公園という都市計画と時代を超えて繋がりを持って建てられた谷口吉生の広島市環境局中工場は平和を願う広島の思いを大きく表していると感じました。

観光地でもなく、ゴミ処理施設というどちらかというと負のイメージのある施設ですが建築が好きな人、広島の時代を超えた平和への想いを感じたいという方は一度見に行かれてはいかがでしょうか。

東京カテドラル聖マリア大聖堂 1964 丹下健三(Kenzo Tange)

戦後日本を代表する建築家・丹下健三氏が設計した東京カテドラル聖マリア大聖堂(1964年竣工)をご紹介したと思います。

東京カテドラル聖マリア大聖堂とは

正式名称はカトリック関口教会と言い東京都文京区関口にあるキリスト教カトリックの教会です。

1962年、丹下健三、前川國男、谷口吉郎の3名による指名コンぺの後、丹下健三がコンペを勝ち取りました。

1964年に竣工した鉄筋コンクリート造、地上1階一部中2階、中3階、地下1階の建物。

所在地:東京都文京区関口

意匠 設計:株式会社丹下都市建築設計研究所
施工   :大成建設

DOCOMOMO Japanの「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定。

特徴

8枚のHPシェルと呼ばれる双曲放物面をもつ鉄筋コンクリート造の版によって構成され、版の外側には全面にステンレス板が張らています。建築時の資料映像を見たことがありますが職人さんが絶壁に登るかの如く屋根にへばりついて作業をしている姿が印象的でした。8枚のHPシェルは上部に向かうほど垂直に立ち上がっていくような造形になっています。

内部はコンクリート打ち放して岩窟を思わせるような荒々しい造形ですが天井から降り注ぐ光によって教会という場所にふさわしい厳かな雰囲気になっています。

天井は十字にガラスが嵌め込まれておりこの教会を上から見ると地上に十字架が出現するというなかなか考えつかない建物になっています。

施設情報

業務時間:9:00-17:00(12:00-13:00はお昼休み)

ただし、下記の時間はミサ等の教会本来の催しがありますので見学は控えてください。

日曜日の8:00-14:00頃

水曜日、木曜日、金曜日の10:00-11:00頃

木曜日 13:00-16:15頃

祈りの場所ですのでマナー等は守って見学させていただいてください。

敷地内にはカトリックの巡礼地であるフランスのルルドの泉を模した岩窟があったりします。

アクセス

最寄駅は東京メトロ有楽町線 護国寺駅から徒歩10分程度

音羽通りから右折した後は坂道が続きますが登り切った後はフラットな道のりになっています。

最後に

1964年という戦後から東京オリンピックにかけての戦後復興期にこのようなデザインと施工技術があったということに驚きを感じました。瓦礫の中から復興する日本の明るい未来への希望を感じる素晴らしい建築だと感じました。

バルセロナ・パビリオン 1929 ミース・ファン・デル・ローエ(Mies van der Rohe)

近代建築の三大巨匠の一人であるミース・ファン・デル・ローエ(Mies van der Rohe)が設計したバルセロナ・パビリオン(Barcelona Pavilion)(1929年竣工 1986年復元)を紹介したいと思います。

バルセロナパビリオンとは

1929年にスペインのバルセロナ万国博覧会でドイツ館として建設された建築物。

展示施設としてではなくスペイン国王(アルフォンソ13世)を迎えるためのレセプションホールとして建設された。

博覧会終了後、間もなく取り壊されたがのちにモダニズム建築の傑作として評価され、彼の生誕100年にあたる1986年に当時の場所と同じところに復元された。

同館のためにデザインされたバルセロナ・チェアもモダンデザインの傑作として知られている。

建物は鉄・ガラス・石・水面で構成されており直線的でシンプルなデザインが特徴になっています。

しかし、石の模様等によってシンプルで冷たい印象がなく、広いガラス窓から降り注ぐ光の陰影が建物自体を芸術作品のようにする素晴らしい作品だと思います。

施設情報

開館時間

3月~  10月 10:00~20:00
11月〜 2月 10:00~18:00

入館は閉館時間の15分前まで

※基本12月25日は休業

料金(2022年現在)

一般 8ユーロ

学生等 4ユーロ

※毎月第一日曜日は入場無料

施設H.P.

Home

アクセス

モンジュイックの丘の麓、スペイン広場からカタルーニャ美術館に登っていく途中の右側の広場の奥にあります。スペイン広場からは徒歩10分程度の距離になります。

バルセロナ空港からもAerobusに乗れば35分程度でスペイン広場に到着しますのでアクセスも良い場所にあると思います。

空港からの片道料金は5.9ユーロ 往復料金で10.2ユーロになります。

その他、地下鉄のチケットとセットで購入すると割引率が高いようなので利用されるといいと思います。

最後に

この作品はミース・ファン・デル・ローエ(Mies van der Rohe)の名言として知られる「Less is more (少ないことは、より豊かなこと)」を体現した作品だと思います。

近くのホテルに宿泊していたので時間を変えて何度か伺いましたが光の当たりかたで雰囲気が変わり写真を撮っていても色々な表情が現れると感じた建物でした。

訪問したのは2016年の2月、イギリスに行った後に訪問しましたが日差しが同じヨーロッパでも全く違うことに驚いたのを覚えています。

また再訪できればと考えています。

広島平和記念資料館本館 1955 丹下健三(Kenzo Tange)

戦後日本を代表する建築家・丹下健三氏が設計した広島平和資料資料館本館(1955年竣工)をご紹介したと思います。

広島平和記念資料館とは

1955年に竣工した鉄筋コンクリート造、地上2階一部中3階(ピロティー型)の建物。

所在地:広島県広島市中区中島町

意匠 設計:株式会社丹下都市建築設計研究所
施工   :大林組

2006年、戦後建築物として初めて国の重要文化財に指定。

また、DOCOMOMO Japanの「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定。

建築の特徴

丹下健三の初期の建築の特徴としてル・コルビュジェの影響を強く受けていることが挙げられます。

ル・コルビュジェの提唱した「近代建築の5原則」

ピロティ 建築を地面から解放し、交通と植物、運動のための場に

屋上庭園 日の当たる屋上を解放し、日光浴や植物のための場に

自由な平面 構造上必要な壁から建築を解放し、自由に間仕切りをつくる

自由な立面 絵画を描くように自由にデザインできる

独立骨組みによる水平連続窓 自由に大きな窓をつくることで室内に光をふんだんに取り込む

のうち屋上庭園以外の要素をこの建物は備えています。

そのほかにコンクリートの打ち放しが挙げられます。

通常のコンクリート打ち放しの場合、最近の主流はフラットな造形で綺麗ではありますがどこか冷たい印象を受ける場合があります。(安藤忠雄のコンクリート打ち放しはこちらの印象)

しかし、この建物に関しては「杉板本実型枠」(すぎいたほんざねかたわく)と言う方法が取られていて杉板の木目が綺麗に映しとられていてコンクリートなのにどこか柔らかみのある表面となっております。

「杉板本実型枠」に関しては下の会社のブログに説明がありますのでご参照ください

鉄筋コンクリート造りをさらに面白くする「杉板本実型枠」をご存知?
モノクロ写真だと杉板本実型枠の様子がよくわかります。

建物単体としてだけでない魅力

この建築は建物単体としてだけではなく平和公園全体を1つの軸でつなぐ壮大なデザインが魅力だと思います。

具体的にはこの広島平和記念資料館から原爆死没者慰霊碑、平和の灯、原爆ドームへと一直線の軸で繋がっています。

反対側には祈りの泉、嵐の中の母子像、平和の門と繋がっています。

さらに南の方に降りると丹下健三の事務所にも所属した谷口吉生が設計した広島市環境局中工場へと繋がっています。

丹下健三のデザインが時や人を超えて繋がっているところが非常に魅力的だと感じます。

小学生の頃、平和学習として現地に行ったことがありましたがその際には感じたことのない感覚が大人になり建築などに興味を持った後に改めて伺った際に感じられました。

施設情報

開館時間

3月~  7月 8:30~18:00
  8月           8:30~19:00(8月5日、6日は20:00まで)
  9月~11月 8:30~18:00
12月~  2月 8:30~17:00

閉館時刻の30分前までにご入館ください。

休館日

12月30日31日 ※ただし、情報資料室は12月29日から1月1日まで閉室

展示入替期間
2月(中旬から3日間)

料金

大人(大学生以上)200円(30人以上の場合、1人当たり160円)
高校生100円(20人以上の場合、無料)
中学生以下無料
キャッシュレス決済可

アクセス

施設H.P.

香川県立体育館 1964 丹下健三(Kenzo Tane)

戦後日本を代表する建築家・丹下健三氏が設計した香川県立体育館(1964年竣工)をご紹介したと思います。

注:耐震改修工事の事前調査により天井が落下する恐れがあることが判明、改修工事の入札等が行われたが不調に終わり2014年9月に閉館、現在、敷地内は立ち入り禁止となり、内部は倉庫として使用されています。

香川県立体育館とは

1974年に竣工した鉄筋コンクリート造、地上3階地下1階の建物。巨大な縁梁と側梁、柱などでケーブルとつり屋根を支える仕組みと、彫刻的なコンクリートの造形が特徴的で、屋根の両端が高く曲線を描く外観は船のような形です。

家具のデザインは剣持勇デザイン研究所が行っています。

意匠 設計:丹下健三+都市建築設計研究所/集団制作建築事務所
構造 設計:岡本建築設計事務所
施工   :清水建設株式会社

第7回(1966年)建築業協会賞を受賞しています。

椅子等のデザインは剣持勇のものになります
屋根が弧を描いているのがわかると思います

場所はJR高松駅からは車で7分程度、徒歩では30分程度の場所にあります。

最後に

香川県庁東館と共に高松市内にある丹下健三の貴重な建築物

ニューヨークに拠点を置き歴史的建築物などの保存に取り組むのワールド・モニュメント財団(World Monuments Fund: WMF)が、緊急に保存が必要な「危機遺産」に登録したとのこと。

県の方でも保存の方向も模索しているようですが改修費用の確保や維持費を何で賄なうかなど問題が山積しているようです。

施設としては新たな体育館が2024年には竣工するようですがこの貴重な建築物が原型をとどめる形で高松に残り続けてほしいと思います。

香川県庁舎東館 1958 丹下健三(Kenzo Tanke)

戦後日本を代表する建築家・丹下健三氏が設計した香川県庁舎東館(1958年竣工)

丹下健三生誕100年を記念したプロジェクト(2013年)「丹下健三伝統と創造瀬戸内から世界へ」の際に香川県庁舎の建築ツアーが行われていてそちらに参加した際の写真等をご紹介したいと思います。

香川県庁舎東館とは

香川県高松市にある香川県の行政機関が入る建築

設計は当時の県知事 金子正則が丸亀市出身の洋画家 猪熊弦一郎(旧制香川県立丸亀中学校の先輩にあたる)から引き合わされたのが丹下健三であった。

丹下が猪熊から紹介されて香川に向かう道中、偶然にも同じ宇高連絡船の同じ客室に金子が乗り合わせており、船中で金子と話すうちに二人は意気投合し、とんとん拍子に設計の話が進んだと言われている。

設計されたものは丹下が影響を受けた建築家ル・コルビュジェによる近代建築の5原則を基にしたものではあるが日本の伝統的な建築様式、木造建築の柱と梁の水平垂直ラインをコンクリートで表現しており日本的な雰囲気を感じるものとなっています。

陶板壁画は 猪熊弦一郎の『和敬清寂』

東館の1階ロビーの木製や陶製の椅子、木製棚、石テーブルなどは丹下研究室が設計し、香川の桜製作所(ジョージ ナカシマの家具でも知られている)が製作しました。

陶板壁画は猪熊弦一郎の作品「和敬清寂」茶道の精神を表す言葉。

金子は式辞で「茶道の精神は民主主義の真髄である」と述べており、考えが違う人々が、一緒に生きるためには、お互いに尊敬し合わなければならない。 そうした心は、清らかで静かな心境からしか生まれないという茶道の言葉を戦後の民主主義的思想と相通じるものと考えていたと思われる。

和敬清寂(わけいせいじゃく)とは、茶道の心得を示す標語。意味は、主人と賓客がお互いの心を和らげて謹み敬い、茶室の備品や茶会の雰囲気を清浄にすることという意である。特に千家ではこの標語を千利休の定めた「和」、「敬」、「清」、「寂」を表す「四規」として重要視している。しかし利休と同時代の確かな資料には見られないことから、学術的には利休の言葉としては認められていない。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

県庁ホールの内装や家具はヤクルトの容器デザインやキッコーマンの醤油差し、柏戸椅子などで有名なインダストリアルデザイナーの剣持勇が担当

壁面は個人的には桂離宮やモンドリアンの絵画を思わせると感じました。

屋上にはル・コルビュジェを思わせる屋上塔屋があります。

竣工当初は塔屋には喫茶室が設けられ、屋上各所にはカウンターやテーブル、椅子が置かれ

ビールなども飲むことができたようです。

また、屋上を覆うように白や黄色の鮮やかな天幕が張られていたとの事。

議会棟

東棟のさらに東にある議会棟はピロティーがありまさしくル・コルビュジェの近代建築の5原則を体現した建築になっています。

場所はJR高松駅からは車で5-6分程度、徒歩では20分程度の場所にあります。

最後に

戦後復興の勢いと未来への希望を感じる素晴らしい建築です。

設計を担当した丹下健三、壁画を担当した猪熊弦一郎、県庁ホールを担当した剣持勇など

すごい人々が関わった素晴らしい建築。これはひとえに当時の県知事であった金子正則の美意識と熱量があったからではないかと思います。

あと、戦争未亡人の清和会という組織が長いあいだ、丁寧に県庁の掃除を続けていたとの事です。その日々の積み重ねが今日まで県民に愛される建物として残って来たのだと思います。

香川県にはその他にも丹下健三の設計した体育館やイサムノグチのアトリエなど魅力的な場所が多いところです。

食べ物も美味しいところなので建物を見に行きがてら旅行されてはいかがでしょうか。

Le Corbusier(ル・コルビュジェ) Villa Savoye (サヴォア邸)1931 行き方解説あり

サヴォア邸とは

ル・コルビュジェ(Le Corbusier)が金融家であったサヴォア夫妻の週末住宅の為に設計したフランス、パリ郊外のPoissy(ポワシー)にある近代建築の住宅。1931年竣工

ル・コルビュジェによって提唱された近代建築の5原則を体現した住宅として傑作と呼ばれる住宅です。

2016年、ル・コルビュジェの建築群としてこちらを含む世界7ヶ所17作品が世界遺産として登録されました。(日本では東京の上野にある国立西洋美術館も彼の建築物で世界遺産登録されています)

ル・コルビュジェとは

1887年スイス生まれの建築家(絵画や家具のデザインなども行う多才な人物であった)

モダニズム研建築の巨匠と呼ばれフランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエとともに近代建築の3大巨匠と呼ばれることもある。

日本においては前川國男、坂倉準三、吉阪隆政が彼のアトリエで働き丹下健三、安藤忠雄などは彼の建築に影響を受けている。

近代建築の5原則とは

伝統的な建築の概念を破壊する新たな建築の提案です。

具体的には

ピロティ 建築を地面から解放し、交通と植物、運動のための場に

屋上庭園 日の当たる屋上を解放し、日光浴や植物のための場に

自由な平面 構造上必要な壁から建築を解放し、自由に間仕切りをつくる

自由な立面 絵画を描くように自由にデザインできる

独立骨組みによる水平連続窓 自由に大きな窓をつくることで室内に光をふんだんに取り込む

上記の5原則を実現できたのは1914年にル・コルビュジェが提案したドミノ・システムに寄るところが大きい。

ドミノ・システムとは

1914年にル・コルビュジエが提唱した鉄筋コンクリートの構造システム。

鉄筋コンクリート造の水平スラブとそれを支える最小限の柱、各階へのアクセスを可能とする

階段を構成要素とした住宅の建設方法であり、旧来の建築では壁で建築の強度を得ていたもの

を主に柱だけで強度を得るために自由な間仕切りや水平連続窓のデザインが可能となった。

2017年の情報ですので変更がある可能性が高いです。
入ってすぐの場所に庭師小屋があります。
庭師小屋の裏手
水平連続窓
スロープ
浴室
車庫

サヴォア邸への行き方

パリの中心地からの行き方をご紹介したいと思います。

まずは大まかな位置関係をご紹介します。

サヴォア邸があるのはPoissyというところになりますのでパリ中心地から北西に位置する場所になります。

凱旋門(Charles de Gaulle – Étoile)からの出発としてCharles de Gaulle – Étoile駅からはPER(高速鉄道)AでPoissy駅へ向かいます。時間的にはおおよそ30分程度になります。

パリ中心街のメトロとは異なり観光客の人があまり乗っていない印象で平日に乗車したため乗客も少なかったのですが車中で物乞いのような人もいたりしてフランス語がわからないものとしてはいつも以上に緊張して乗車してました。

Poissy駅のホーム

Poissy駅からはバスか徒歩での移動となります。

バスの場合は駅前に張るロータリーがありますのでそこから50番のLa Coudraie行きで約10分Villa Savoyeの停留所で下車して約2分でサヴォア邸に到着です。

徒歩の場合はPoissy駅から約30分緩やかな傾斜のあるルートではありますがパリの建物とは違う郊外の住宅等を見ながら歩くのはまた楽しいと思いますので片道でも歩くことをお勧めします。

徒歩でのルートはこのようなルートで向かいました。

Collégiale Notre-Dame Poissy駅からほど近くにある教会
教会を過ぎると分岐がありますのでVilla Savoye Le Corbusierの記載の通り左へ向かいます。

その後、大きな交差点(歩いてきたトゥルネル通り(Rue de Turnelle)とブランシュ・ド・カスティーユ通り(Av.lanche de Castille)を右に曲がって道なりに歩いて行くとサヴォア邸が現れます。(サヴォア邸は奥まったところにあるのでパッと現れるわけではありませんが)

最後に

サヴォア邸はパリ中心地から1時間程度で行ける場所にありますので建築に興味のある方は是非一度、少し足を伸ばして行ってみることをお勧めします。

パリ中心地にもル・コルビュジェ建築がありますのでまたの機会にご紹介できればと思います。