広島平和記念資料館本館 1955 丹下健三(Kenzo Tange)

戦後日本を代表する建築家・丹下健三氏が設計した広島平和資料資料館本館(1955年竣工)をご紹介したと思います。

広島平和記念資料館とは

1955年に竣工した鉄筋コンクリート造、地上2階一部中3階(ピロティー型)の建物。

所在地:広島県広島市中区中島町

意匠 設計:株式会社丹下都市建築設計研究所
施工   :大林組

2006年、戦後建築物として初めて国の重要文化財に指定。

また、DOCOMOMO Japanの「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定。

建築の特徴

丹下健三の初期の建築の特徴としてル・コルビュジェの影響を強く受けていることが挙げられます。

ル・コルビュジェの提唱した「近代建築の5原則」

ピロティ 建築を地面から解放し、交通と植物、運動のための場に

屋上庭園 日の当たる屋上を解放し、日光浴や植物のための場に

自由な平面 構造上必要な壁から建築を解放し、自由に間仕切りをつくる

自由な立面 絵画を描くように自由にデザインできる

独立骨組みによる水平連続窓 自由に大きな窓をつくることで室内に光をふんだんに取り込む

のうち屋上庭園以外の要素をこの建物は備えています。

そのほかにコンクリートの打ち放しが挙げられます。

通常のコンクリート打ち放しの場合、最近の主流はフラットな造形で綺麗ではありますがどこか冷たい印象を受ける場合があります。(安藤忠雄のコンクリート打ち放しはこちらの印象)

しかし、この建物に関しては「杉板本実型枠」(すぎいたほんざねかたわく)と言う方法が取られていて杉板の木目が綺麗に映しとられていてコンクリートなのにどこか柔らかみのある表面となっております。

「杉板本実型枠」に関しては下の会社のブログに説明がありますのでご参照ください

鉄筋コンクリート造りをさらに面白くする「杉板本実型枠」をご存知?
モノクロ写真だと杉板本実型枠の様子がよくわかります。

建物単体としてだけでない魅力

この建築は建物単体としてだけではなく平和公園全体を1つの軸でつなぐ壮大なデザインが魅力だと思います。

具体的にはこの広島平和記念資料館から原爆死没者慰霊碑、平和の灯、原爆ドームへと一直線の軸で繋がっています。

反対側には祈りの泉、嵐の中の母子像、平和の門と繋がっています。

さらに南の方に降りると丹下健三の事務所にも所属した谷口吉生が設計した広島市環境局中工場へと繋がっています。

丹下健三のデザインが時や人を超えて繋がっているところが非常に魅力的だと感じます。

小学生の頃、平和学習として現地に行ったことがありましたがその際には感じたことのない感覚が大人になり建築などに興味を持った後に改めて伺った際に感じられました。

施設情報

開館時間

3月~  7月 8:30~18:00
  8月           8:30~19:00(8月5日、6日は20:00まで)
  9月~11月 8:30~18:00
12月~  2月 8:30~17:00

閉館時刻の30分前までにご入館ください。

休館日

12月30日31日 ※ただし、情報資料室は12月29日から1月1日まで閉室

展示入替期間
2月(中旬から3日間)

料金

大人(大学生以上)200円(30人以上の場合、1人当たり160円)
高校生100円(20人以上の場合、無料)
中学生以下無料
キャッシュレス決済可

アクセス

施設H.P.

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