戦後日本を代表する建築家・丹下健三氏が設計した東京カテドラル聖マリア大聖堂(1964年竣工)をご紹介したと思います。
東京カテドラル聖マリア大聖堂とは
正式名称はカトリック関口教会と言い東京都文京区関口にあるキリスト教カトリックの教会です。
1962年、丹下健三、前川國男、谷口吉郎の3名による指名コンぺの後、丹下健三がコンペを勝ち取りました。
1964年に竣工した鉄筋コンクリート造、地上1階一部中2階、中3階、地下1階の建物。
所在地:東京都文京区関口
意匠 設計:株式会社丹下都市建築設計研究所
施工 :大成建設
DOCOMOMO Japanの「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定。
特徴
8枚のHPシェルと呼ばれる双曲放物面をもつ鉄筋コンクリート造の版によって構成され、版の外側には全面にステンレス板が張らています。建築時の資料映像を見たことがありますが職人さんが絶壁に登るかの如く屋根にへばりついて作業をしている姿が印象的でした。8枚のHPシェルは上部に向かうほど垂直に立ち上がっていくような造形になっています。
内部はコンクリート打ち放して岩窟を思わせるような荒々しい造形ですが天井から降り注ぐ光によって教会という場所にふさわしい厳かな雰囲気になっています。
天井は十字にガラスが嵌め込まれておりこの教会を上から見ると地上に十字架が出現するというなかなか考えつかない建物になっています。
施設情報
業務時間:9:00-17:00(12:00-13:00はお昼休み)
ただし、下記の時間はミサ等の教会本来の催しがありますので見学は控えてください。
日曜日の8:00-14:00頃
水曜日、木曜日、金曜日の10:00-11:00頃
木曜日 13:00-16:15頃
祈りの場所ですのでマナー等は守って見学させていただいてください。
敷地内にはカトリックの巡礼地であるフランスのルルドの泉を模した岩窟があったりします。
アクセス
最寄駅は東京メトロ有楽町線 護国寺駅から徒歩10分程度
音羽通りから右折した後は坂道が続きますが登り切った後はフラットな道のりになっています。
最後に
1964年という戦後から東京オリンピックにかけての戦後復興期にこのようなデザインと施工技術があったということに驚きを感じました。瓦礫の中から復興する日本の明るい未来への希望を感じる素晴らしい建築だと感じました。
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