アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードとマリオット・ボンヴォイ・アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード(通称「マリオットボンヴォイプラチナ」)は、ともに高いステータス性と豊富な特典を誇るクレジットカードとして注目を集めています。
私自身も両方のカードを長年所有しており、それぞれの特典をフル活用することで得られるメリットを実感してきました。
しかし、年会費や特典内容は大きく異なる部分もあり、「どちらを選ぶべきか迷っている」という方も少なくないのではないでしょうか。本記事では両方のカードを実際に使ってきた視点から、アメックスプラチナとマリオットボンヴォイプラチナの特典・メリット・デメリットを具体的に比較し、それぞれの魅力や活用シーンの違いをわかりやすく解説していきます。あなたにぴったりの一枚を見つける参考にしていただければ幸いです。
1. カードの基本情報比較
項目 | アメックスプラチナ | マリオットボンヴォイアメックスプレミアム |
---|---|---|
年会費(税込) | 165,000円 | 49,500円 |
ポイント・プログラム | メンバーシップ・リワード | Marriott Bonvoy™ ポイント |
主なターゲット | 旅行全般・高級ホテル・レストラン優待を求める人 | Marriott Bonvoy参加ホテルでの宿泊を重視する人 |
家族カード年会費 | 4枚まで無料 | 1枚目無料、2枚目以降 11,000円(税込)/枚 |
付帯保険 | 旅行傷害保険、ショッピング・プロテクションなど充実 | 旅行傷害保険やショッピング・プロテクションなど |
特徴 | 充実したトラベル・コンシェルジュサービスやホテル上級会員資格が多岐にわたる | Marriott Bonvoyグループホテルへの特化、上級会員資格維持など |
ポイント: マリオットボンヴォイアメックスプレミアムの年会費はアメックスプラチナより安いものの、特典の幅広さという面ではアメックスプラチナがややリード。どちらを選ぶかは、どの程度マリオット系列ホテルに宿泊するか・総合的な旅行特典を求めるか次第です。
2. 年会費の元を取るための特典
2-1. アメックスプラチナ
- トラベルクレジット(最大2万円分)
- アメックス・トラベル・オンラインでホテルを予約する際に利用できる特典クレジット。
- 毎年もらえるため、年1回以上の旅行や出張があれば大きな恩恵に。
- フリーステイギフト(年1回)
- 指定ホテル(マリオットやヒルトン、プリンスホテル、ハイアット、ニューオータニなど)で1泊2名分の無料宿泊。
- 2〜5万円相当の宿泊価値が見込める。
- ホテル上級会員資格(複数ブランド)
- Marriott Bonvoy ゴールドエリート
- Hilton Honors ゴールド
- Seibu Prince Global Rewards プラチナメンバー
- Radisson Rewards Premium ステータス
- コンシェルジェサービス・レストラン優待
- コンシェルジェサービスを利用し、レストランや航空券の予約などこちらの希望に合わせて予約手配までしていただけるサービスがある。(365日24時間対応)
- 「2 for 1 ダイニング by 招待日和」というサービスで高級レストラン利用の優待(2名以上利用で1名分無料など)もあり、外食機会が多い人にも嬉しい。
私の体験談
ここからは、実際に私がアメックスプラチナを活用して感じたメリットについてご紹介します。
1)2024年の「ザ・プリンス パークタワー東京」宿泊
2024年にはアメックスプラチナを活用して、東京の「ザ・プリンス パークタワー東京」に宿泊することができました。
高級感あふれる客室や、東京タワーを望む素晴らしいロケーションなど、期待以上の滞在を満喫。
宿泊レビューは、こちらのブログ記事で詳しく紹介しています。
2)Seibu Prince Global Rewards プラチナメンバーの活用
ザ・プリンス パークタワー東京宿泊の際には、Seibu Prince Global Rewardsのプラチナメンバーとして各種優待を受けることができました。
アメックスプラチナで取得できるホテル上級会員資格と組み合わせることで、ホテルライフがさらに充実するのが大きな魅力です。
3)MSCベリッシマでのステータスマッチ
アメックスプラチナ経由で取得したHilton Honors™ ゴールドのステータスを活用し、MSCクルーズのゴールドステータスへステータスマッチを行いました。
クルーズ料金の割引やクルーズ内での特典がより充実し、ワンランク上の船旅を楽しむことが可能に。
詳しい手続きや体験談は、こちらのブログ記事でご覧ください。
4)コンシェルジェサービスでのレストラン予約
コンシェルジェサービスは、場所・価格帯・料理ジャンルの希望を伝えるだけで、候補の店舗を複数ピックアップしてくれます。
実際に何度か予約を代行してもらいましたが、限られた時間を有効に使える点が非常に便利だと感じました。
このように、アメックスプラチナは「ハイエンドなトラベル&ホスピタリティ体験」を求める方にとって、魅力的な特典を多数備えた1枚です。
私自身、上級会員資格を使ったホテル宿泊やコンシェルジュサービスの恩恵を受けることで、より快適かつ特別感のある旅を満喫することができました。
一方で、利用頻度が少ないと年会費を持て余す可能性もあるため、自身のライフスタイルに合った活用を検討してみてください。
2-2. マリオットボンヴォイアメックスプレミアム
- 年間150万円利用で無料宿泊特典(50,000ポイントまで)
- マリオットボンヴォイ参加ホテルで50,000ポイント相当=1泊無料の特典が毎年獲得可能。
- ラグジュアリーブランドやカテゴリが高いホテルに泊まる場合、1泊5万円以上の価値になることも。
- 自動的に Marriott Bonvoy ゴールドエリート付与
- アメックスプラチナ同様、ゴールドエリートとして優先チェックアウトや客室アップグレードなどの特典を獲得。
- 年間宿泊実績15泊分が毎年付与されるため、プラチナエリートへのランクアップを目指しやすい。
- 年間400万円利用でプラチナエリートにアップグレード
- 高還元率:滞在ごとに通常より50%多いボーナスポイントが付与されます。
- 客室アップグレード:スイートを含む上位カテゴリーへのアップグレードが可能。
- ウェルカムギフト:チェックイン時にポイント、朝食、またはアメニティから選択可能。
- レイトチェックアウト:午後4時まで延長できる場合が多く、ゆったり滞在を楽しめます。
- 継続特典が明確でホテル利用に特化
- 1泊無料特典が毎年確実に得られるので、マリオット系列ホテルを頻繁に使う方は年会費を回収しやすい。
ポイント: アメックスプラチナは「複数のホテルブランドや旅行特典を幅広くカバーできる汎用性」が強み。一方、マリオットボンヴォイアメックスプレミアムは「マリオット系列への集中投資」で効率よくリターンを得られるカードと言えるでしょう。
私の体験談
- 無料宿泊特典でリッツカールトン大阪に宿泊
年間150万円利用でもらえる無料宿泊特典を活用して、リッツカールトン大阪に滞在しました。
通常なら5万円以上する客室に無料で泊まれたので、非常にお得感を感じました。 - プラチナエリートにアップグレードして鹿児島のシェラトンに宿泊(2025年初)
プラチナエリート特典を活用し、アーリーチェックインや客室アップグレード、ラウンジの利用、さらには朝食の無料提供など多くのベネフィットを受けることができました。
高級ホテルにゆっくり滞在したい方にとって、このステータスは想像以上に快適さをもたらしてくれます。
詳細については、別の記事で詳しくまとめていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
マリオット系列のホテルを頻繁に利用する方や、確実に無料宿泊特典を手に入れたい方には、マリオットボンヴォイアメックスプレミアムが大変おすすめです。
プラチナエリートを目指す過程で、より上質なホテルステイを体験しやすくなるのも大きな魅力と言えるでしょう。
3. ポイントプログラムの比較
3-1. アメックスプラチナ:メンバーシップ・リワード
- 基本還元率:1%(100円=1ポイント)
- 航空マイル移行:ANAや日本航空など、14の航空会社に移行可能(移行率はANAが1ポイント=1マイル、日本航空が1ポイント=0.4マイル、その他航空会社は1ポイント=0.80032マイル)
- ホテルポイント移行:ヒルトン・オーナーズ、Marriott Bonvoyのポイントにも移行可能
- メンバーシップ・リワード・プラス(入会無料)に加入すると移行率アップや有効期限の延長などメリット拡大
ANAの場合、年間移行の上限マイル数が40000マイルとなっています。
3-2. マリオットボンヴォイアメックスプレミアム:Marriott Bonvoy ポイント
- 基本還元率:3%(100円=3ポイント)
- マリオット系ホテル宿泊での加算:通常の宿泊ポイントに加え、ゴールドエリート特典でもポイントが増えるため相乗効果が期待できる
- 航空マイル移行:ANAや日本航空、ユナイテッド航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、など、39の航空マイル移行可能(移行率はほとんどの航空会社が3ポイント=1マイル、ニュージーランド航空のみが200ポイント=1マイルになっています。)
- 一度に60,000ポイント以上移行する場合は、60,000ポイントごとにボーナスマイル5,000マイルが積算されます。(アメリカン航空、アビアンカ航空、デルタ航空は除く)
上記の方法でマイルを交換すれば還元率が1.25%に上がります。 - ユナイテッド航空マイレージプラス特典マイルへの移行60,000ポイントごとに、10,000ボーナスマイルを獲得できます。
上記の方法でマイルを交換すれば還元率が1.5%に上がります。
- 一度に60,000ポイント以上移行する場合は、60,000ポイントごとにボーナスマイル5,000マイルが積算されます。(アメリカン航空、アビアンカ航空、デルタ航空は除く)
ポイント: 航空マイルの移行については、対応している航空会社の数や移行レート・条件を総合すると、マリオットボンヴォイアメックスプレミアムのほうが圧倒的に有利です。
さらにホテル宿泊に関しても、マリオット系列をあまり利用しない方を除けば、還元率や提携ホテル数の面でマリオットボンヴォイアメックスプレミアムに軍配が上がると考えられます。
4. 付帯保険・コンシェルジェ・サービス面
4-1. アメックスプラチナ
- 旅行傷害保険(国内・海外):最高1億円の補償
- ショッピング・プロテクション:年間最高500万円の補償
- キャンセル・プロテクション:不測の事態で旅行や公演をキャンセルした場合の補償
- リターン・プロテクション / スマートフォン・プロテクション:アメックスブランド独自の補償が適用
- コンシェルジェサービス:24時間365日対応でレストランやチケットの予約を代行
4-2. マリオットボンヴォイアメックスプレミアム
- 旅行傷害保険(国内・海外):補償金額は最高5,000万円程度
- 条件によって変動する場合がある
- 航空便遅延保証(海外):海外旅行時の航空便遅延や乗継便に乗れなかった場合の食事代・宿泊費、手荷物の遅延や紛失による衣類や必需品の購入費の補償
- ショッピング・プロテクション:年間最高500万円の補償
- キャンセル・プロテクション:不測の事態で旅行や公演をキャンセルした場合の補償
- リターン・プロテクション / オンライン・プロテクション:アメックスブランド独自の補償が適用
ポイント: 補償限度額やサービスの手厚さではアメックスプラチナに軍配が上がる。マリオットボンヴォイアメックスプレミアムも最低限の保険や保護は付帯しているが、より高額かつ包括的な保険が欲しい方はアメックスプラチナの方が安心。
5. 家族カード・追加カード特典の違い
5-1. アメックスプラチナ
- 家族カード4枚まで無料
- 家族カードでも空港ラウンジ利用やホテル特典を享受可能
- 追加カード会員でもプライオリティ・パスが発行されるため、家族旅行が多い家庭には非常にメリット大
5-2. マリオットボンヴォイアメックスプレミアム
- 家族カード1枚目無料、2枚目以降は年会費11,000円(税込)
- 家族カード会員もMarriott Bonvoy ゴールドエリート特典が受けられるわけではなく、基本的には本会員のカード利用で付与される特典を共有するイメージ
- 家族もカード決済分でポイントを貯められる点はメリットだが、アメックスプラチナほどの「多人数へのフル特典付与」は難しい場合がある
ポイント: 家族で旅行特典をフルに活用したいならアメックスプラチナのほうが魅力的。一方で、「自分と配偶者1人だけでも十分」という場合はマリオットボンヴォイアメックスプレミアムでも事足りることが多い。
6. 各カードがおすすめな人
6-1. アメックスプラチナ
- 幅広い高級ホテル・航空会社の特典を活用したい人
- Marriott Bonvoyだけでなく、ヒルトンやラディソンなど複数ブランドを横断した上級会員資格を得られる
- 年会費に見合うだけのトラベル・レストラン特典を使い倒せる人
- 年間2万円分のトラベルクレジットやフリーステイギフトを使い切る旅行機会が多い
- 家族旅行や大人数でラウンジ・ホテル特典を共有したい人
- 家族カード4枚無料、各自プライオリティ・パス発行可というファミリー向けメリット大
- 最高級のコンシェルジュサービスで時間と手間を節約したい人
- 24時間365日対応のコンシェルジュが、比較的複雑な要望にも対応してくれる
6-2. マリオットボンヴォイアメックスプレミアム
- マリオットグループホテルへの宿泊が多い人
- 毎年の無料宿泊特典(50,000ポイント分)で年会費以上の価値を回収しやすい
- Marriott Bonvoy ゴールドエリートが自動付与され、ステータスを維持・上積みしやすい
- 航空会社マイルよりもホテルステイを重視する人
- マイル移行も可能だが、ポイントをホテル宿泊に利用するほうがコスパが高いケースが多い
- アメックスプラチナほど高い年会費は負担できないが、プレミアムな特典は欲しい人
- アメックスプラチナの3分の1程度の年会費で、一定の高級特典を享受できる
- 夫婦・カップルでマリオットブランドのホテルをお得に巡りたい人
- 年間150万円利用で無料宿泊特典ゲット→2人旅で実質宿泊費ゼロなど、利用額に応じて恩恵が大きい
7. 結論:どちらを選ぶべきか?
- 「旅行全般+複数ホテルブランドの特典を幅広く使いたい」「家族旅行で豪華特典をシェアしたい」「最高クラスのコンシェルジュサービスを重視」
→ アメックスプラチナがおすすめ - 「主にマリオットグループのホテルに頻繁に宿泊する」「年会費は抑えたいが、上質なホテルステイは諦めたくない」「ゴールドエリートをベースに、さらに上のステータスを狙いたい」
→ マリオットボンヴォイアメックスプレミアムがおすすめ
両カードともステータス性は高く、旅行やホテル好きの方には大きなメリットがあります。違いは「どのホテルブランドを主軸に利用するか」と「年間支出・年会費のバランス」で大きく左右されると言えるでしょう。アメックスプラチナはより多彩なサービスが受けられる一方で、マリオットボンヴォイアメックスプレミアムはマリオット系列に特化して効率的に特典を享受できるのが強みです。
私個人としては、高級ホテルに頻繁に宿泊したり、コンシェルジュにレストラン予約を依頼する機会がそれほど多くないため、正直アメックスプラチナの費用対効果には疑問を感じています。
一方で、マイルを活用して海外旅行をする機会が多い身としては、マリオットボンヴォイアメックスプレミアムの高いマイル還元率や、ANAへの移行時に交換上限がない点などが大きな魅力です。
年間支出額とのバランスを考えても、私にはマリオットボンヴォイアメックスプレミアムが最適解だと思っています。
8. まとめ
- アメックスプラチナは、旅行全般の強力なサポートや多彩な上級ホテル会員資格、家族向け特典、充実のコンシェルジュで「トラベル&ホスピタリティの最高峰を追求したい人」に向いています。
- マリオットボンヴォイアメックスプレミアムは、マリオット系列ホテルをメインに宿泊・旅行を楽しむ人にとってコスパが高く、ゴールドエリート資格や無料宿泊特典で「年会費以上の価値を回収しやすい」のが魅力です。
自分のライフスタイルに合致した方を選ぶことで、より効率的に特典を使いこなし、旅行をワンランク上の体験にしてみてください。