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【体験談】鹿児島から沖縄まで25時間の船旅してきました(マルエーフェリー編)②乗船〜下船

旅行(Travel)

鹿児島から沖縄へ、25時間の長距離フェリー旅。前回の記事では、鹿児島中央駅からの行き方や乗船手続きについて詳しく紹介しましたが、今回は実際の乗船から下船までの体験をお届けします。

船内の設備や客室の様子、食事の選択肢、各寄港地での風景など、長時間の船旅ならではの魅力や注意点を詳しく解説します。フェリー旅行を検討している方にとって、実際に体験して分かった「役立つ情報」をたくさん盛り込みましたので、ぜひ参考にしてください!

乗船

乗船開始時間は17時10分と事前に案内がありましたが、実際には17時前から乗船が開始されました。
受付のある3階から通路とボーディングゲートを渡り、今回乗船するマルエーラインの「フェリーあけぼの」へと向かいました。

鹿児島新港に停泊するフェリーあけぼの
今回乗船したフェリーあけぼの

部屋(2等寝台B)

船内に入るとスタッフが部屋を案内してくれたので、まずは指定された部屋へと向かいました。
今回予約したのは2等寝台Bで、8名1室・2段ベッドの相部屋タイプになります。

  • 料金
    • 運賃:16,960円
    • 調整金:1,680円(※燃料費の変動により3ヶ月ごとに変動)
    • 合計:18,640円

部屋の第一印象

部屋に入った瞬間の第一印象は、「狭い」 でした。
スペースとしてはシングルベッドよりやや広めで、長さは2メートル強ありますが、天井が低いため圧迫感を感じました。

2等寝台Bのベッド
2等寝台Bのベッド
枕とブランケット
高くて硬い枕とブランケット

ただし、2等和室に比べるとプライバシーが確保されている点はメリットに感じました。
また、照明を自分のタイミングで消すことができるため、就寝時のストレスは少なく感じました。

設備

部屋には最低限の設備が備えられていました。

  • コンセント(1つ)
  • 可動式の小物置きスペース(スマホ程度が置ける)
  • 枕(ビニール製・硬め・高さがある)
  • ブランケット

枕はビニール製で硬く、高さもあるため、ぐっすり眠るにはやや不向きでした。
次回利用する際は、ネックピローや折りたたみ枕を持参するとより快適に過ごせそうです。

部屋の環境(温度・騒音・揺れ)

  • 冷暖房の効き具合:特に問題なく、快適に過ごせました。
  • 船の揺れ:この航海では大きな揺れが継続するようなことはなく、特に気になりませんでした。
  • エンジン音:それほど大きくなく、睡眠の妨げになるほどではありませんでした。

共用スペースやシャワールームへのアクセス

今回宿泊した部屋は5階デッキにあり、すぐ近くにトイレがありました。
シャワー室は同じフロアの階段を抜けた先にありましたが、距離的にも特に不便は感じませんでした
船自体がそこまで大きくないため、どの部屋に宿泊しても共用スペースへのアクセスは良好だと思います。

2等寝台Bの特徴と他の部屋タイプとの比較

部屋タイププライバシー料金設備の違い
2等和室なし(雑魚寝)最安コンセントなし・雑魚寝スペース
2等寝台Bあり(カーテン付き)コンセント1つ・2段ベッド

2等和室と比較した場合のメリット

  • カーテンがあるのでプライバシーが確保される
  • 枕元にコンセントがあるため、スマホの充電ができる
  • 自分のタイミングで照明を調整できる

食堂・売店・自動販売機

フェリーでの長時間航海では、食事や飲み物を確保することが重要になります。
ここでは 食堂・売店・自動販売機 の設備について詳しく紹介します。

食堂

食堂の営業時間は限られているため、利用を考えている場合は注意が必要です。
また、営業時間外は食堂が開放され、持ち込みの飲食が可能となっています。

営業時間が短い理由として、このフェリーは主に離島間を移動する地元の方々の利用を想定しているため、食堂の営業にそこまで力を入れていないのではないかと感じました。

営業時間とメニュー

船内には食堂があり、以下の時間帯に営業していました。
なお、メニュー表に記載されているすべての料理が提供されているわけではない ため、事前に確認が必要です。

営業時間

  • 夕食 17:50 – 18:40
  • 朝食 6:15 – 6:45
  • 昼食 11:45 – 12:15
  • 2日目の夕食の提供はなし

特に 2日目の夕食は提供されない ため、事前に食料を準備しておくか、那覇到着後に食事をとる必要があります。
(私の場合は那覇到着後にホテルのレストランで夕食をいただきました。)

食堂の営業時間は船内放送でも案内があり、掲示板にも記載されています。

食堂の利用方法

食堂は 券売機で食券を購入し、厨房のカウンターで受け取る 形式です。
私が乗船した時点(2025年1月)では、新1,000円紙幣は使用可能 でしたが、
自動販売機などは新紙幣(特に新500円硬貨)を使用できないものもある ため、旧札や硬貨を持っておくと安心です。
(新紙幣しかない場合でも、売店や受付で両替は対応してもらえると思います。)

混雑具合とおすすめの利用タイミング

カレーは提供が早いため、時間を節約したい方におすすめ です。で夕食をいただきました。)

食堂の開店直後は混雑しやすい ですが、営業時間の後半になると空いてくる傾向がありました。

ただし、売り切れのリスクもあるため、確実に食べたい場合は 早めに入店する のが安心です。

レストランの営業時間の掲示
レストラン営業時間の掲示(船内放送でも案内があります)
フェリーあけぼののメニュー表

食堂の利用方法

食堂は 券売機で食券を購入し、厨房のカウンターで受け取る 形式です。
私が乗船した時点(2025年1月)では、新1,000円紙幣は使用可能 でしたが、
自動販売機などは新紙幣(特に新500円硬貨)を使用できないものもある ため、旧札や硬貨を持っておくと安心です。
(新紙幣しかない場合でも、売店や受付で両替は対応してもらえると思います。)

混雑具合とおすすめの利用タイミング

カレーは提供が早いため、時間を節約したい方におすすめ です。

食堂の開店直後は混雑しやすい ですが、営業時間の後半になると空いてくる傾向がありました。

ただし、売り切れのリスクもあるため、確実に食べたい場合は 早めに入店する のが安心です。

朝定食(明太子)700円
朝定食(明太子)700円
昼食の海老フライカレー
昼食の海老フライカレー

売店

売店には、自動販売機にあるような飲み物やお菓子、おつまみに加えて、鹿児島や奄美地方のお土産や地酒 なども販売されていました。
また、食堂の営業後には、おにぎりが食堂から運ばれ、売店で販売されていました。

自動販売機

船内には 様々な種類の自動販売機 が設置されていました。
私が乗船した際に確認できたラインナップは以下の通りです。

アルコール類

  • サントリー
  • キリン
  • オリオンビール

ビールの種類は豊富でしたが、酎ハイやハイボールの種類は少なめ だったため、
 特定のアルコールが飲みたい場合は事前に持ち込むことをおすすめします。

ソフトドリンク

  • コカ・コーラ
  • キリン
  • 伊藤園
  • 南日本酪農共同㈱

スナック・おつまみ

  • オレオ
  • コアラのマーチ
  • くんさき
  • チップスター
  • イカフライ

カップ麺

  • カップスター

アイス

  • セブンティーンアイス

印象的だったのは、途中の離島から乗船してきた子どもたちがセブンティーンアイスを買い求める姿が多く見られたことです。
フェリーの旅ではちょっとした楽しみになるのかもしれません

自動販売機利用時の注意点

  1. 新紙幣や新500円硬貨が使えない ものが多いので、旧紙幣や100円玉を準備しておくと安心 です。
  2. 時期にもよると思いますが航海の終盤になると売り切れが発生しやすい ため、欲しい商品がある場合は 早めに購入するのがベター です。
  3. ビールの種類は豊富ですが、第3のビールが多い印象 でした。
    酎ハイやハイボールの種類が少ないため、事前に購入して持ち込むのも一案 です。

シャワー室・ドライヤー設備

長時間のフェリー旅では、シャワー設備の有無や快適に利用できるかどうかも重要なポイントです。
ここでは、船内のシャワールームの利用方法やドライヤー設備について詳しく紹介します。

シャワーの利用方法

船内には 男女それぞれ10ブースずつのシャワー室 が設置されています。
冬場だったためか、私が乗船した際は あまり利用している人がいない印象 でした。

利用時間

  • 出港時から那覇入港の1時間前まで利用可能

料金

  • 無料で利用可能

設備

  • シャンプー・リンス・ボディソープは備え付けなし 必ず持参する必要があります。

お湯の出方・水圧

  • お湯は安定しており、特に水圧が弱いということもなく快適に使えました。

混雑状況

  • 冬場は利用者が少なく、ほぼ待たずに利用可能

ドライヤー設備

シャワーを利用した後に ドライヤーが使えるかどうか も重要なポイントです。

洗面所のドライヤー

  • 各フロアの トイレの洗面台に小型のドライヤーが1台設置
  • 風量はそこまで強くないため、髪の長い方には少し時間がかかるかもしれません。
  • 利用者が重なると待ち時間が発生する可能性あり。
  • 髪が短い方や少しの時間で乾かせる方は 備え付けのドライヤーでも問題ありませんが髪の長い方などは吸水力のあるタオルなどを持参してできるだけ水分を減らしてからドライヤーを使用するのがいいと思います。

各寄港地での様子

今回のフェリーは夕方に鹿児島を出港し、翌日の早朝に奄美大島、その後、徳之島、沖永良部島、与論島を経由し、沖縄本島へと進んでいきます。
島々を巡るこのルートは、海の色や風景が徐々に変化していくのを感じられるのが魅力です。

奄美大島(名瀬港)

入港時間:出港日翌日の5:00

早朝5時に到着したため、辺りはまだ真っ暗でした。しかし、沖縄本島、佐渡島に次ぐ日本で3番目に大きな離島ということもあり、港湾施設はしっかりと整備されていました。
乗下船にはボーディングブリッジが使用され、都市部の港のような印象を受けました。

街の明かりも想像以上に多く、遠くには「イオン」の看板も見えました。
離島とはいえ、生活圏の広がりを感じられる場所でした。

また、他の寄港地でも共通していましたが、港での荷役作業がとても迅速かつ効率的に行われているのが印象的でした。
夜明け前にもかかわらず、スタッフがキビキビと動いている様子は、離島間の物流の重要性を実感させられる光景でした。

名瀬港入港するフェリー
名瀬港入港時の様子

徳之島(亀徳港)

入港時間:出港日翌日の9:10

徳之島に到着する頃にはすっかり朝になり、明るい日差しのもとでの入港となりました。
高層の建物はなく、低い山々と広がる森が「離島らしい風景」という印象を与えます。

港のすぐそばには砂浜が広がり、南国の島へと近づいていることを感じさせてくれました。

ここで驚いたのは、大きな牛がコンテナに入れられ、船に積み込まれていたことです。徳之島は「闘牛」で知られる島でもあり、畜産が盛んな地域のひとつ。
そのため、こうした家畜輸送が日常的に行われているのだと感じました。

また、奄美大島の入港時はまだ暗かったため気づきませんでしたが、徳之島では海の色が徐々にマリンブルーへと変わっているのが分かりました。
南へと進むにつれて、鹿児島で見た海とは異なる、より鮮やかな青さを帯びてきました。

専用のコンテナに入っている牛
専用のコンテナに入っている牛
徳之島(亀徳港)の待合所と乗船待ちの人々
徳之島(亀徳港)の待合所と乗船待ちの人々

沖永良部島(和泊港)

入港時間:出港日翌日の11:30

沖永良部島は、徳之島とは異なり、高い山がほとんどなく、広大な林が広がっているのが特徴的でした。

港周辺には低層の建物が点在しており、都会的な雰囲気はありませんが、自然と調和した穏やかな離島の風景が広がっていました。

ここでも砂浜を確認することができ、青い海と白い砂浜のコントラストが非常に美しい景色を作り出していました。

沖永良部島(和泊港)入港時
沖永良部島(和泊港)入港時、奥には砂浜なども見えています。

与論島(与論港)

入港時間:出港日翌日の13:40

与論島に近づくと、それまでの島々とはまた違った雰囲気が感じられました。
特に印象的だったのは、港の海の色がエメラルドグリーンに近いことです。
おそらく、海底が砂地であるため、透き通るような美しい色合いになっているのだと思います。

また、港の周囲には溶岩でできた岩場が広がり、今までよりも一層南国らしい風景が広がっていました。
なだらかな森に囲まれた白い砂浜や、波に侵食された独特の形をした岩々が点在しており、「これぞ南の島」といった印象でした。

与論港の海
海底が砂地なのか海の色が一段と鮮やかでした。
与論港のすぐ横の砂浜と侵食された岩
与論港のすぐ横の砂浜と侵食された岩

沖縄本島(本部港)

入港時間:出港日翌日の16:40

本部港は、沖縄本島北部に位置する港です。これまで訪れた離島とは異なり、明らかに開発が進んでいるのが感じられました。

港自体はそれほど大きくありませんが、隣接する道路の整備状況や周辺の建物の様子からは、沖縄本島の発展を感じさせる風景でした。

また、港の反対側には瀬底島へとかかる橋が見えました。こちらはまた違った雰囲気で、本部港の都市的な景色とは対照的に、「離島らしい静かな風景」が広がっていました。

本部港の対岸にある瀬底島
本部港の対岸にある瀬底島

沖縄本島(那覇港)

入港時間:出港日翌日の19:00

那覇港に到着した頃には、日がすっかり暮れ、さらに雨が降り出していました

これまでの寄港地とは異なり、那覇港周辺は高層のホテルやオフィスビルが立ち並び、都会の夜景が広がっていました

雨の中の那覇港
雨の中の那覇港。奥に見えるのがフェリーターミナル

下船

下船はタラップを使用し、岸壁からターミナル(待合所)までは少し距離がありました。

那覇に到着して最初に直面したのは、激しい雨の影響でタクシー待ちの長蛇の列ができていたことです。

そこで、タクシー配車アプリ「GO《ゴー》」を使って車を呼ぼうとしましたが、雨天の影響か、なかなか配車が確定しませんでした。
周囲を見てみると、「DIDIタクシー」を利用している人が多く、沖縄ではDIDIの方がメジャーなのかもしれないと感じました。

最後に

鹿児島から沖縄までの25時間の船旅は、飛行機では味わえないのんびりとした移動時間の魅力を存分に感じることができました。

2等寝台Bのプライバシーの確保、食堂の利用方法、シャワーや売店の設備など、長時間の船旅ならではの注意点もありましたが、事前に準備をすれば快適に過ごすことができます。特に、枕や軽食の持参、旧紙幣・硬貨の準備は、より快適な旅にするためにおすすめです。
今回は想像以上に船が揺れなかったのですが酔い止め薬は絶対に持っていったほうがいいと思います。

また、フェリーならではの各寄港地の風景の変化を楽しめるのも大きな魅力。奄美大島、徳之島、沖永良部島、与論島と、南下するにつれて海の色が変わり、自然豊かな景色が広がるのは船旅ならではの醍醐味です。

フェリー旅は「時間がかかる」「揺れる」「不便」と思われがちですが、実際に体験すると、そのゆったりとした時間の流れこそが最大の魅力だと感じました。飛行機では一瞬で通り過ぎてしまう景色や、波の音に揺られる感覚、島々を巡るワクワク感は、フェリーならではの特別な体験です。

今後、鹿児島発のフェリー旅を計画している方は、ぜひこの体験談を参考にして、快適な船旅を楽しんでください!