イギリス・ロンドンで販売されている「Brompton A Line(エーライン)」は、国内正規販売されていない日本未発売モデル。価格を抑えたシンプルな構成と、Bromptonらしい折りたたみ機構が特徴のこのモデルに惹かれ、現地で購入して日本へ持ち帰りました。
この記事では、
- 現地販売店での購入体験
- 飛行機での持ち帰り方(梱包・受託手荷物)
- 日本到着後の輸送、防犯登録、整備
といったポイントを、実際の体験をもとに詳しく解説します。Bromptonの海外購入を検討している方、日本未発売モデルに興味のある方にとって、参考になれば幸いです。
Brompton(ブロンプトン)とは?|イギリス生まれの高性能折りたたみ自転車
Brompton(ブロンプトン)は、イギリス・ロンドンで設計・製造されている高性能な折りたたみ自転車ブランドです。1975年に創業し、コンパクトな折りたたみ構造、軽量で丈夫なフレーム、都市生活に最適な操作性を特徴としています。
世界中の都市生活者や旅好きの人々から愛されており、日本でも通勤や輪行、ミニベロファンを中心に高い人気を誇っています。中でも、カラーや仕様を細かく選べる「C Line(クラシックライン)」、電動アシスト付きの「Electric C Line」、そして価格とシンプルさを重視した「A Line」など、さまざまなモデルが展開されています。
詳しくは Brompton公式サイト をご確認ください(英語サイト)。
Brompton A Lineとは?|日本未発売のエントリーモデル

Brompton A Line(エーライン)は、イギリス・ロンドン発の折りたたみ自転車ブランド「Brompton(ブロンプトン)」が展開する最も手頃な価格のエントリーモデルです。2021年に発売され、日常の足としても旅先での移動手段としても使いやすい仕様となっています。
A Lineは日本国内では正規販売されていない海外限定モデルであり、購入するには現地での直接購入または個人輸入が必要です。私は実際にロンドンの旗艦店「Brompton Junction(ブロンプトン・ジャンクション)」を訪れ、現地でA Lineを購入して日本へ持ち帰りました。
A Line最大の特徴は、装備を必要最小限に抑えることで価格を抑えている点です。泥除けやフロントキャリアブロックは非搭載、ペダルも折りたたみ機能のない樹脂製、そして他モデルと比べてパーツが簡素化されています。
ただし、ホワイト1色のみの美しいカラーリングや、ベースとしてのカスタマイズ性の高さに魅力を感じる方も多く、「正規ブロンプトンを少しでも安く手に入れたい」「シンプルな一台を自分好みに仕上げたい」といった方にとっては、有力な選択肢となるでしょう。
C Lineとの違いを比較
A Lineは価格を抑えたモデルとはいえ、購入に踏み切るにはC Lineとの違いが気になる方も多いはず。
特に日本で販売されているベーシックモデル「C Line(Urban)」と比較することで、A Lineを選ぶメリットや注意点が見えてきます。
以下の表では、それぞれの装備や仕様を一覧で比較してみました。
項目 | A Line | C Line(Urban) |
---|---|---|
ギア構成 | 内装式3段 | 外装式2段 |
ハンドル | ミドル | ミドル・ロー選択可 |
泥除け | なし | 前後あり |
フロントキャリア | なし | あり |
ペダル | 固定式(樹脂製) | 折りたたみ式(アルミ製) |
ブレーキレバー | ロゴなし | ロゴあり・軽量 |
サドル | ロゴなし・ペンタクリップなし | ロゴあり・ペンタクリップ付き |
以下では各パーツについてもう少し詳しく紹介します。
泥除け
A Lineには前後ともに泥除けが付属していません。晴天時の使用に限定するなら問題ありませんが、雨天時や泥道を走行する予定がある場合は別途購入・取り付けを検討しましょう(取り付け自体は可能です)。

フロントキャリアブロック
ブロンプトン純正バッグをワンタッチで取り付けるための重要なパーツですが、A Lineには非搭載です。私はイギリスの通販サイト「House of Fraser」でパーツを購入し、自分で取り付けました。

ペダル
標準ではプラスチック製の固定ペダルが付属。折りたたみ機能がなく、持ち運び時や収納時に出っ張りが気になりました。
そこで、神戸のブロンプトンジャンクションにて折りたたみ可能なペダルを購入し、取り付けてもらいました(この時に防犯登録も実施してもらえました)。

ブレーキレバー
アルミニウム製で見た目は似ていますが、A Lineのレバーはシンプルな作り。C Lineのものと比べると軽量化されておらず、ロゴもありません。

サドル
A Lineのサドルは、ブロンプトンのロゴがなくクッション性もやや硬め。また、角度や高さを調整できるペンタクリップが付属していない(現行のモデルには標準装備されています)ため、快適性にこだわる方は後から交換を検討してもよいでしょう。

次は「A Lineの購入場所・現地での購入体験」についてご紹介します。
A Lineの購入場所|ロンドンの「Brompton Junction」で実際に購入
A Lineは日本では販売されていないため、購入には海外での現地購入が必要です。私はロンドン旅行前に、現地のBrompton公式ショップである「Brompton Junction Covent Garden」へ在庫と梱包受取可否についてメールで事前確認を行った上で、来店日を連絡し、現地で購入しました。
Brompton Junction Covent Garden 店舗情報
- 住所:69 Long Acre, London WC2E 9JS, United Kingdom
- 営業時間:月~金 9:00–19:00 土 10:00-18:00 日 12:00-17:00
- 最寄駅:地下鉄 Covent Garden 駅(ピカデリー線)
在庫確認の流れ
日本語ページでは店舗のメールアドレスが掲載されていなかったため、「Brompton Junction Covent Garden」でGoogle検索し、表示されたシンガポール向け公式ページに記載されているメールアドレスへ連絡しました。

内容は、A Lineの在庫確認と、渡航予定日の共有、およびダンボール梱包での受け取りが可能かの確認でした。英語が得意でないためGoogle翻訳を使ってメールしましたが、1日以内に返信があり、在庫があること、段ボール箱での受け渡し可能であること、来店の数日前に再確認するよう案内が届きました。
実際の購入とホテルまでの持ち帰り体験談

Brompton Junction Covent Gardenは、1階が店舗、地下がサービスセンターになっていました。事前にメールで購入の旨を伝えていたため、入店時にその旨を伝えると、スムーズに対応してくれました。
対応してくれたスタッフの方は日本に行った経験があり、「京都」や「富士山」にも訪れたことがあるとのこと。日本が大好きでまた行きたいと話してくれて、和やかな雰囲気の中でやり取りができました。
その後、注文していたA Lineが到着し、車体番号に私の購入情報を紐づける登録手続きと、支払いを行いました。支払いにはクレジットカードが使用可能です。
店員さんからは「イギリスで乗るのか?」と聞かれ、「そのまま日本に持ち帰る」と伝えたつもりだったのですが、タイヤの空気は抜かれていないままでの引き渡しとなりました。実際に空港でのチェックイン時に「タイヤの空気は抜かれているか?」と何度も確認されたため、購入時に空気を抜いてもらうよう事前に依頼しておくことを強くおすすめします。
受け取りは、事前に依頼していたダンボール箱に梱包された状態。持参したIKEAの大型バッグに入れる予定でしたがサイズ的に合わず、念のためAmazonで購入していた運搬用ベルトを使って箱に巻き付け、ホテルまで持ち帰りました。
この運搬ベルトはギリギリのサイズ感で、転がして運ぶことはできなかったため、小さな台車を持参しておけばもっと楽だったと思いました。
英語が得意でない私でも、スタッフの方々はとても親切に対応してくださり、お店の雰囲気も大変よかったです。ロンドンに行く機会がある方は、ぜひ訪問してみてはいかがでしょうか。
次は「日本への持ち帰り方法」、「国内輸送・防犯登録の注意点」について紹介していきます。
日本への持ち帰り方法|飛行機での輸送と注意点

購入したBrompton A Lineは、航空機で日本へ持ち帰ることが可能です。以下は、実際に私が経験した手続きと注意点をまとめたものです。
チェックイン時の対応(ANA利用)
私はヒースロー空港からANA(全日本空輸)を利用して日本へ帰国しました。時間通りに空港でチェックインを行うと、カウンターでは以下のような確認がありました:
- タイヤの空気は抜かれているか
- ガス(圧縮ガスなど)は入っていないか
- 電動アシスト付き自転車ではないか
これはおそらく、航空機内に持ち込む際の安全性やリチウムイオンバッテリーの危険性に配慮したものと思われます。
ビジネスクラスを利用していたため、チェックイン後には**シンガポール航空の「SilverKris Lounge(シルバークリスラウンジ)」**への案内も受けました。
なお、追加料金はかかりませんでした。
オーバーサイズ荷物として預ける流れ
ブロンプトンの自転車はサイズ上「オーバーサイズバゲージ」に分類されるため、チェックイン終了後に別カウンターへ移動するよう案内されました。
ロンドン・ヒースロー空港では、保安検査場の横にある「Oversize baggage」カウンターに向かい、再度タイヤの空気、ガス、電動アシストの有無などの確認を受けたうえで、無事に預けることができました。


持ち帰り時の工夫と注意
- 事前に段ボール箱での梱包を依頼していたため、そのまま運搬が可能でした。
- IKEAの大型バッグにはサイズが合わなかったため、Amazonで準備していた運搬ベルトで段ボールを固定。
- 小型キャリーや台車があると空港での移動がかなり楽になります。
チェックインや荷物預けの際には、航空会社スタッフから何度も「空気は抜いてあるか?」と確認されたため、購入前のメールや現地購入時に空気を抜いてもらうよう伝えておくことを強くおすすめします。
次は「国内輸送・防犯登録の注意点」について紹介します。
国内輸送・防犯登録の注意点|帰国後の配送と登録手続き
羽田空港到着後の輸送
日本到着後は、羽田空港の国際線出口と同じフロアにあるヤマト運輸の営業所にて自宅までの配送を依頼しました。私の場合、関西の自宅までの送料は2,470円でした。

到着が夕方だったため、自宅への到着は翌々日となりましたが、空港から大型荷物を持ち帰る手間や、タクシー利用による追加費用を考えると、非常にコストパフォーマンスの高い方法だったと感じています。
防犯登録は正規販売店で対応可能
日本で自転車を利用する際には防犯登録が義務付けられています。海外で購入したBromptonも例外ではありません。
私の場合は、帰国後に神戸のBrompton Junction(ブロンプトンジャンクション)神戸店を訪れ、ペダルの交換をお願いした際に、あわせて防犯登録も行っていただきました。
必要となる書類は以下の通りです:
- 自転車本体(車体番号が刻印されている)
- 購入証明書(レシートやインボイスなど)
- 本人確認書類(運転免許証など)
店舗によっては海外購入品の登録に対応していない場合もありますので、事前に確認してから来店されることをおすすめします。
まとめ|A Line購入を検討している方へ
現在の円安状況では、価格の安さを目的にわざわざ海外で購入するメリットは小さいかもしれません。しかし、日本では正規販売されていないモデルを手に入れたい方にとって、現地での購入は十分に検討の価値があります。
Brompton A Lineは、装備こそシンプルですが、軽量で扱いやすく、何よりもその希少性と価格のバランスが魅力です。
持ち運びは確かに大変でしたが、海外での購入体験から、日本への輸送、国内での手続きまで、すべてが旅の一部として面白い経験になりました。ブロンプトンに興味があり、海外での購入を検討している方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
コメント
初めまして。
ヨーロッパでaラインをしようと考えているのですが、梱包材であるダンボールの寸法を教えていただけないでしょうか?
飛行機預け荷物での超過の境界となる3辺の合計が158cmを超えるか否か気になっております。
TA様
はじめまして。コメント頂きましてありがとうございます。
梱包材のサイズについてですが現物を処分してしまったので細かいサイズは不明なのですが航空会社での預け入れ時も特に超過料金がかからなかったこと(預け入れの場所は別途Oversize baggage カウンターに預けましたが)
あと、日本国内でヤマト運輸での配送を依頼した際のサイズが160サイズだったことからギリギリ158cm以内に収まっていたと考えています。
明確なご回答ができず申し訳ありませんが無事にヨーロッパでAラインを購入、持ち帰られることを願っています。