神戸から大分へ移動する際、飛行機や新幹線という選択肢もありますが、フェリーを利用することで快適に移動しながら旅の気分を楽しめるのが大きな魅力です。特に「さんふらわあ」は、夕方出発・翌朝早朝着というスケジュールのため、移動時間を効率的に活用でき、到着後の現地での時間を十分に確保できます。
さらに、船旅ならではの楽しみも満載です。航行中は、明石海峡大橋や瀬戸大橋といった瀬戸内海の絶景を眺めながらゆったりと過ごせるため、移動そのものが旅の一部になります。また、船内の食堂はビュッフェ形式となっており、大分の名物を含めた多彩な料理を自由に楽しめるのも大きな魅力です。
本記事では、「さんふらわあぱーる」の船内設備、スタンダードルーム、バイキングの食事を詳しくレビューし、予約方法や持ち物、乗船の流れについても解説します。徒歩乗船を検討している方が、より快適に旅を楽しめるような情報をお届けします。
予約方法
フェリーの予約は、公式サイトを利用するのが一般的で、早めに確保するのがおすすめです。特に繁忙期や週末は混雑することがあるため、事前にスケジュールを確認し、早めの予約を心がけましょう。
予約の流れ
- さんふらわあ公式サイトにアクセス
- 出発日・時間・プランを選択
- 客室タイプを選択(スタンダードルームなど)
- 料金確認と予約確定
- 支払い完了後、乗船券を受け取る(オンライン or 窓口)
料金について(スタンダードルーム2名利用の場合の参考価格)
料金は時期によって変動し、A〜Dの4つの期間に分かれています。さらに、3ヶ月ごとにA・B期間に関してはWeb割引(5%割引)が適用されます。
また、往復割引はA〜Dすべての期間で適用され、復路の運賃が5%割引となります。
- スタンダードルーム(個室)2名利用時の料金:片道29,220円(往復合計58,440円)
- 内訳:
・旅客基準運賃(A期間):12,610円(Web割引適用)×2名
・スタンダードルーム1名分:4,000円(もう1名はエキストラベッド利用のため追加料金なし)
お得に利用するためには、Web割引や往復割引を活用しながら、早めの予約を心がけることがポイントです。
乗船前の準備
船旅を快適に過ごすために、事前に以下の持ち物を用意しておくと安心です。
フェリー乗船券
2025年3月5日から、神戸ー大分航路にもQRコードを利用したスマート乗船チェックインが導入されています。Web予約時に設定したメールアドレスに、乗船日当日の14時頃からQRコード付きのメールが送信されるため、そちらを準備しておく必要があります。
クレジットカード・現金
船内の売店やレストランはクレジットカード対応ですが、神戸フェリーターミナル発着のバス乗車や自販機、大浴場横のマッサージ機などは現金が必要です。そのため、多少の現金は事前に用意しておくことが必要です。
Wi-Fi環境について
船内にはWi-Fiが提供されていますが、通信容量の制限があるため、Webサイトの閲覧などは制限されています。ただし、瀬戸内海を航行するため、かなりの頻度で陸上の電波を受信できます。
ただし、船室が船内中央に位置する場合、電波が届きにくく圏外になることが多々ありました。そのため、部屋でゆっくり過ごしたい方は、スマートフォンだけでなく、本や雑誌を持参するのもおすすめです。
船内でのリラックスグッズ
スタンダードルーム以上の個室では、照明を自分でコントロールできるため、アイマスクは基本的に不要です。また、スリッパもスタンダードルーム以上には備え付けられているため、持参する必要はありません。
着替え・洗面用具
ナイトウェアもスタンダードルーム以上では備え付けられています。
洗面用具については、タオルは付いてきますが、バスタオルがあると大浴場を利用する際に便利です。
また、シャンプーやコンディショナー、ボディーソープは大浴場に完備されています。
酔い止め
基本的に瀬戸内海を航行するため、揺れは少ないですが、天候によっては揺れることもあります。念のため酔い止めを持参しておくと、より安心して過ごせます。
神戸港フェリーターミナルへのアクセス
神戸港フェリーターミナルへは、徒歩乗船の場合「神戸フェリーバス」を利用します。

バス運賃
- 料金:おとな230円、こども120円(2025年3月時点)
- 支払い方法:現金のみ(新紙幣や高額紙幣の両替には対応していないため注意)
- 特例:六甲ライナー「アイランド北口駅」⇔六甲アイランドフェリー乗り場間は運賃無料
バスの運賃はフェリーターミナル行が先払い制、フェリーターミナル発が後払い制となっているため、事前に小銭を用意しておくとスムーズです。
バスルート
- 阪神電車御影駅
約7分 - 阪急電車御影駅
約8分 - JR住吉駅
約15分 - 六甲ライナーアイランド北口駅
約5分 - 六甲アイランドフェリー乗り場
バスの運行本数
- 日曜日~木曜日:4便
- 金曜日・土曜日:6便

3月に利用した際には、卒業旅行や学校行事と思われる学生の団体が多く、最終の六甲アイランドのバス停で満員になりました。乗れないことはありませんでしたが、余裕を持ってバスに乗車することをおすすめします。
また、阪神御影駅が始発となっているため、確実に座ってフェリーターミナルへ向かいたい場合は、阪神御影駅からの乗車がおすすめです。
神戸港フェリーターミナルでの手続き

神戸港フェリーターミナル到着
バスは17:30着の便でフェリー乗り場に到着。フェリーターミナルはコンパクトな建物で、バスを降りるとすぐ目の前にあります。
ターミナルに入ると正面にはチェックインカウンターがあり、左手には乗船名簿を記載するスペースが設けられています。ただし、Web予約の場合は名簿の記入は不要です。
チェックイン・乗船手続き

チェックインカウンターでは5~6人ほどの列ができていました。順番が来ると、名前を伝えて予約内容を確認後、QRコード付きの乗船券を受け取りました。
※この流れはスマート乗船チェックイン開始前のものです。2025年3月5日以降は、スマート乗船チェックインが導入され、予約時に登録したメールアドレスへ当日の14時頃にQRコード付きのメールが届くため、チェックインの流れが簡略化されています。
乗船待機

乗船開始は18:00。それまでの間、一つ上のフロアにある待合室で待機しました。
待合室の座席数は十分にあり、ゆったりと過ごせます。1階にも小さな待合室があり、混雑時にはこちらを利用するのも良いと思います。
乗船手続きと乗船
乗船口は3階にあり、階段またはエレベーターで移動します。QRコードをスキャンしてもらい、いよいよ本船に乗船。ここからは、船旅の楽しみが始まります。

室内&船内施設の紹介
「さんふらわあぱーる」には、客室や食事、船内施設が充実しており、快適な船旅を楽しむことができます。
スタンダードルーム


- 広さ:4.5㎡
- 設備:洗面台、テレビ、ハンガー、ナイトウェア、ゴミ箱、靴べら、コンセント(机の横に2個、洗面台に1個)
- 備品:スリッパ、ロゴ入りタオル、歯ブラシ、ハンドソープ、衣類用消臭スプレー、コップ
- 快適度:1名用の部屋で、追加の2段ベッドを使用して2名で利用したため、やや手狭に感じました。しかし、個室であることでパーソナルスペースが確保され、ストレスなく過ごすことができました。
レストラン



船内のレストランでは、夕食・朝食ともにバイキング形式で提供されており、和洋中の多彩なメニューが楽しめます。
- 夜の営業時間:
日曜日~木曜日:18:00~21:00
金曜日・土曜日:18:50~21:30 - 朝の営業時間:
日曜日~木曜日:5:30~入港まで
金曜日・土曜日:5:45~7:00
メニューの特徴
夕食では、大分名物を含むバラエティ豊かな料理が揃っています。特に、大分名物のニラ豚は初めて食べましたが、旨味たっぷりで美味しかったです。また、りゅうきゅう(甘めのたれにお刺身を漬け込んだもの)は、そのままでも美味しく、白ご飯との相性も抜群でした。
朝食については、大分名物はほとんどなく、和食・洋食の一般的なバイキングメニューが用意されています。
ドリンク・アルコール類
- ソフトドリンク:無料
- アルコール類:レストラン内の自販機またはレジで購入可能
- 生ビール:自販機で中ジョッキサイズくらいが500円で提供されており、おすすめです
テーブルの配置
席数に関しては十分確保されているが、4人席、6人席が多い印象のため混雑した際は相席になる可能性があると感じました。
ただし、スペースには余裕があるので窮屈になるようなことはなさそうです。
混雑状況
時期によって混雑状況は異なると思いますが今回乗船した印象としては出港直後はやや混雑する印象。
混雑を避けたい場合は19:30以降にずらすと落ち着いて食事ができるのではという印象です。
料金
- 夕食:
大人(13歳以上):2,000円
小人(7歳~12歳):1,000円
幼児(4歳~6歳):500円 - 朝食:
大人(13歳以上):700円
小人(7歳~12歳):500円
幼児(4歳~6歳):300円 - 支払い方法:現金・クレジットカード対応
その他
夜・朝ともにテイクアウトメニューも提供されており、客室での食事も可能です。
その他船内の施設(売店・プロムナード・大浴場など)
売店

- 大阪や神戸のお土産、大分のお土産、さんふらわあグッズなど品揃えが豊富でお土産を買う時間がなかった場合でもなんとかなりそうな品揃えでした。
- ビール、日本酒、ハイボール、酎ハイなどのアルコール類も充実。おつまみ関係もいっぱいありますので
船内でお酒を楽しむことが出来ます。
料金的にも良心的な価格だと思うのでコンビニなどで買い込まなくても十分といった印象です。 - 営業時間:
- 日曜日~木曜日:乗船後~21:30 / 朝5:30~入港まで
- 金曜日・土曜日:乗船後~22:00 / 朝5:45~7:00
プロムナード

売店の前には、くつろげるスペースとしてプロムナードが設けられています。ここにはソファやチェアが配置されており、リラックスしながら過ごせる空間が広がっています。
出港前後には、持ち込んだ食事を取る乗客の姿が多く見られます。また、出港後はスマートフォンを操作しながらくつろぐ人や、お酒を楽しみながら談笑するグループもいます。売店や自販機がすぐ近くにあるため、気軽に飲み物や軽食を購入し、ちょっとした気分転換をするには最適な場所です。
展望大浴場

展望大浴場は、窓付きの開放的な浴場で、船旅の疲れを癒すのに最適です。
洗い場は8カ所あり、ロッカーは15カ所完備。ロッカーは鍵付きなので、安心して入浴できます。
洗面台は4台、ドライヤーは2台設置されており、簡単な身支度も可能です。
浴場内には、シャンプー・コンディショナー・ボディーソープが備え付けられており、タオルを持参すれば手ぶらでも利用できます。また、ジェットバスも備えられており、移動の疲れをしっかりと癒せるのが魅力です。
営業時間
- 日曜日~木曜日:乗船後~22:00 / 朝5:15~入港まで
- 金曜日・土曜日:乗船後~23:30 / 朝5:30~入港まで
混雑を避けるためには、早めの時間帯の利用がおすすめです。特に夜の時間帯は混雑することがあるため、入浴のタイミングを調整すると、より快適に過ごせると思います。
その他
船内には、快適に過ごすためのさまざまな施設が整っています。
- 展望大浴場の横にマッサージ機:長旅の疲れを癒せる設備として設置されています。
- 自動販売機:売店横や6階フロアの2カ所に設置。アルコール、ソフトドリンク、カップヌードルなど、多様な商品が購入可能です。
- 電子レンジ・ゲームセンター:6階には電子レンジが設置されており、持ち込んだ食事を温めることが可能。また、簡単なゲームを楽しめるゲームセンターも併設されています。
- 給湯器:お湯を使いたい際に便利な給湯器も備えられています。





大分港到着


午前6:20、定刻通りに西大分港へ到着しました。日の出前ということもあり、外はまだ真っ暗でした。
到着前には数回のアナウンスがあり、6:20を過ぎるとすぐに下船可能との案内が流れました。
部屋を出て下船口へ向かい、タラップを降りるとフェリーターミナルの2階に到着。そこから1階の出口へ移動します。
1階の出口前には、すでに大分駅行きの大分交通の路線バスが待機していました。
このバスは新川経由で大分駅まで運行し、所要時間は約20分。運賃は大人200円、小人100円で、ICカードも利用可能です。
乗車後、しばらく停車していましたが、満席になる前に乗るためには早めの下船が安心です。6:35頃にバスが出発し、7:00前には大分駅に到着しました。
まとめ
「さんふらわあぱーる」は、神戸から大分への移動手段として快適で便利な選択肢です。
特に徒歩乗船者にとっては、コストを抑えつつ、移動の途中も旅気分を楽しめるのが大きな魅力だと思います。
船は基本的に穏やかな瀬戸内海を航行するため、船酔いが心配な方でも比較的安心して乗船可能です。
ただし、天候によっては揺れを感じることもあるため、酔いやすい方は念のため酔い止めを持参すると安心です。
また、夜の移動時間を活用できるのも大きなメリットです。船内でしっかり休むことができるため、翌日からの予定に支障をきたすことなく、スムーズに行動を開始できます。
フェリーならではの旅情を味わいながら、気軽に移動できるのが魅力。これから乗船を考えている方は、ぜひ本記事を参考にして準備を整え、快適なフェリー旅をお楽しみください!