
「ANAマイルを効率よく貯めて、いつかはビジネスクラスでヨーロッパへ旅したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
日々の買い物でコツコツとマイルを貯める方法もありますが、近年注目されているのが、ソニー銀行の「ANAマイル付き外貨定期預金」という商品です。
これは、定期預金の利息の代わりにANAマイルを受け取ることができるというユニークな仕組みで、特にマイルを資産運用の一部として捉えている方にとっては有効な選択肢となり得ます。
本記事では、以下の点について詳しく解説します:
- ANAマイルでヨーロッパまでビジネスクラスに乗るには、何マイル必要か
- ソニー銀行の外貨定期預金で得られるマイル数と必要な預金額
- 筆者の実際の預け入れ体験とマイル運用の考え方
- 口座開設から申し込みまでの流れと注意点
旅行が好きで、資産を効率的に運用しながらマイルも貯めたいという方にとって、ぜひ参考にしていただきたい内容です。
なぜ今、ソニー銀行の外貨定期預金でANAマイルを貯めるべきなのか?
2024年以降、円安傾向と外貨の高金利トレンドが継続する中で、「利息」の代わりにマイルを受け取れる金融商品が注目を集めています。中でも、ソニー銀行のANAマイル付き外貨定期預金は以下のようなメリットを備えています。
- 通常の外貨預金と同様に円から外貨に交換し、定期預金として運用可能
- 満期時にANAマイルが獲得できる(年利換算で見ると比較的高水準)
- 米ドル建てであれば、通貨リスクのコントロールもしやすい
また、マイルを貯める手段としては、クレジットカードやポイントサイト経由が主流ですが、まとまった資金がある方であれば、定期預金で一括してマイルを受け取れるこの商品は時間効率の面でも非常に優秀です。
特に、「普段の消費ではマイルがなかなか貯まらない」という方にとって、数千~数万マイル単位で得られるこの仕組みは非常に魅力的です。
ANAマイルでヨーロッパまでビジネスクラスに乗るには何マイル必要か?
まずは、ANAマイルでヨーロッパまでビジネスクラスを利用するにはどれだけのマイルが必要なのかを明確にしておきましょう。
ANAの公式サイトによると、2025年6月24日の改定以降、ANA国際線特典航空券(ビジネスクラス)で欧州路線を往復する場合に必要なマイル数は以下の通りです:
- ローシーズン:110,000マイル
- レギュラーシーズン:115,000マイル
- ハイシーズン:180,000マイル
対象路線の例としては、羽田〜ロンドン、羽田〜フランクフルト、羽田〜パリなどの欧州直行便が該当します。

実際のマイル価値をシミュレーションしてみる
では、実際にこのマイルを使った場合、どれほどの金銭的価値があるのでしょうか?
2025年9月9日出発/2025年9月16日帰国の羽田〜ロンドン便でシミュレーションした結果は以下のとおりです(2025年6月13日調査時点)。
エコノミークラス利用時
- 運賃(税・燃油込み):約 ¥255,390
- 必要マイル数:55,000マイル
- 税・燃油サーチャージなどの実費:約¥97,890
- 実質価値(マイル換算):¥157,500 ÷ 55,000マイル ≒ 約¥2.86/1マイル
ビジネスクラス利用時
- 運賃(税・燃油込み):約 ¥1,243,330
- 必要マイル数:115,000マイル
- 税・燃油サーチャージなどの実費:約¥123,330
- 実質価値(マイル換算):¥1,120,000 ÷ 115,000マイル ≒ 約¥9.73/1マイル
このように、同じマイルを使う場合でもビジネスクラスに利用すれば、1マイルあたりの価値が約3倍以上となります。
※上記は一例の便での比較であり、為替やシーズン、空席状況によって変動します。
ビジネスクラスにこだわる理由
マイル単価の高さに加え、ビジネスクラスには以下のような特典があります:
- 空港での優先チェックイン・手荷物サービス
- ANAラウンジの利用
- フルフラットシートでの快適な長距離フライト
- コース仕立ての機内食と豊富なドリンクサービス
このようなプレミアムな体験を、実費よりも圧倒的にお得に味わえるのがマイル利用の醍醐味と言えるでしょう。
ソニー銀行のマイル付き外貨定期預金とは?
ソニー銀行が提供する「ANAマイル付き外貨定期預金」は、通常の利息の代わりにANAマイルが付与されるユニークな金融商品です。わずかに年0.01%の利息も付きますが、主な利得はマイルとなります。
取り扱い通貨と選択のポイント
対応している通貨は米ドル・ユーロ・英ポンドなど12種類ですが、為替変動リスクと金利差を総合的に考慮すると、現状では「米ドル」が最も現実的な選択肢と言えるでしょう。
ただし、例えば英国旅行を控えていてポンド建て資産が必要といったケースでは、他の通貨を選ぶ選択肢も十分あり得ます。ここは目的と為替リスク許容度に応じて判断すべきでしょう。
実際にどれだけ預ければビジネスクラスに必要なマイルが貯まるのか?
以下は、2025年6月13日時点のデータを基にした、米ドル建て1年定期預金によるマイル付与の試算です(レート:1ドル=143.65円)。
シーズン | 必要マイル数 | 必要な預金額(USD) | 日本円換算(約) |
---|---|---|---|
ローシーズン | 110,000マイル | 約42,307.69ドル | 約6,077,500円 |
レギュラー | 115,000マイル | 約44,230.76ドル | 約6,353,750円 |
ハイシーズン | 180,000マイル | 約69,230.76ドル | 約9,945,000円 |
この表からも明らかなように、マイルのみでビジネスクラスを目指すには、数百万円単位の資金が必要となります。これを現実的に活用するには、外貨預金単体ではなく他のマイル獲得手段と併用する戦略が望ましいでしょう。

私自身の運用方針と判断理由(※2023年10月時点の体験に基づく)
ここでは、2023年10月時点で私が実際に行った運用についてご紹介します。
なお、以降の内容は執筆当時の体験をもとにしており、現在(2025年時点)とは金利条件や為替レート、獲得マイル数などが異なる可能性がある点にご留意ください。
前述の通り、ヨーロッパまでのビジネスクラス特典航空券には10万マイル以上が必要です。このマイル数をすべてマイル付き外貨定期預金で獲得するには、数百万円規模の預け入れが必要となります。
こうした背景を踏まえ、私はまず米ドル建て・3カ月満期の定期預金に5,000ドルを預け入れる運用を選択しました。この時点で獲得できたのは約3,550マイルで、同条件で1年間継続すれば約14,200マイルが付与される計算です(※申込当時のキャンペーン利率に基づく試算)。
この判断に至った主な理由は以下の通りです:
1. 資金面からの現実的なアプローチ
ビジネスクラス特典航空券に必要なマイル数をすべて外貨預金で賄うには、約600万円以上の預け入れが必要となり、現実的な負担は大きいと感じました。そのため、無理のない範囲で始められる少額運用を選択しました。
2. 他のマイル獲得手段との併用を前提
クレジットカード決済やポイントサイト経由の交換など、日常生活の中でもANAマイルを貯める方法は多くあります。外貨定期預金は、これらの手段と組み合わせて使う前提で考えています。
3. 為替リスクへの慎重な対応
当時の為替相場は円安傾向にあり、一度に大きな金額を外貨に替えるのはリスクがあると判断しました。複数回に分けて預け入れることで、為替の変動に対するリスクを抑える意図もあります。
4. 急ぎで大量のマイルを必要としていなかった
コロナ禍の影響で貯まったマイルが消化しきれていなかったこともあり、短期間でのマイル獲得にこだわる必要がなかった点も判断材料となりました。
このように、「少額からの着実なスタート」「他手段との併用」「リスク分散」という観点から外貨定期預金を活用するスタイルを取っています。
マイル戦略のひとつとして、すぐに使う予定のない資金を効率的に運用したい方にとっては、有力な選択肢となるでしょう。
口座開設と定期預金申込の手順(2025年時点)
ソニー銀行の「ANAマイル付き外貨定期預金」を利用するためには、「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」の保有が必須条件となっています。このカードは、ANAマイレージクラブ会員機能とソニー銀行のキャッシュカードが一体化したもので、外貨預金とマイルの紐付けに必要です。
以下に、実際の申込手順を簡潔にご紹介します。
STEP 1|「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」の申し込み
まずはANA公式サイト内の専用ページから「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」の申し込みを行います。
申込み後、数日〜1週間程度でカードが自宅に届きます。
▶ ANA公式サイト:ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET(※外部リンク)
STEP 2|ソニー銀行の口座にログイン
カード到着後、ソニー銀行の公式サイトからログインします。
ログインには、口座番号とパスワードが必要です。


STEP 3|外貨預金メニューから「マイル付き外貨定期預金」を選択
ログイン後、画面左側上部のメニューから「商品・サービス」をクリックし、ANAマイル付外貨定期預金を選択すると、該当の申込ページへ遷移します。


STEP 4|預入内容の設定と申込完了
預金の通貨(米ドルがおすすめ)、期間(例:3カ月または1年)、金額を入力し、申込内容を確認して確定します。
特に注意したいのは以下の2点です:
- 預入期間によって獲得できるマイル数が変動する
- キャンペーンの有無により、獲得マイル数や条件が変更される場合がある
最新の利率や条件は、申込前に必ずソニー銀行の公式サイトで確認しましょう。
まとめ|外貨定期預金でANAマイルを効率的に貯める選択肢
今回は、ソニー銀行の「ANAマイル付き外貨定期預金」を活用し、ビジネスクラスでヨーロッパ旅行を目指す方法について解説しました。
- ヨーロッパ往復に必要なマイルは11万〜18万マイル(ビジネスクラス)
- アメリカドルの1年定期であれば約600万円の預入で目標マイルに到達可能
- 少額から始められる3カ月定期でも数千マイルの獲得が可能
- 外貨定期+クレジットカード+ポイントサイトの併用が現実的な戦略
筆者自身も、2023年10月時点の為替環境を踏まえながら、まずは米ドルで3カ月定期を5,000ドル分預け入れました。外貨リスクを分散しつつ、マイルという形でリターンを得られるこの仕組みは、「今すぐ使う予定はないが資産を眠らせておくのはもったいない」と感じている方に最適な選択肢といえるでしょう。
特に「ANAマイルで海外ビジネスクラスを目指したい単身男性」のように、柔軟な旅程の組み立てができる方にとって、効率的かつ堅実なマイル獲得方法となります。
興味を持たれた方は、以下の公式リンクから詳細をチェックしてみてください。
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