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別府・鉄輪温泉の魅力|むし湯・地獄蒸し・血の池地獄を満喫する旅

旅行(Travel)
鉄輪温泉の風景
鉄輪温泉地区はいたるところから蒸気が噴出しています。

別府の鉄輪温泉は、古くから湯治文化が根付く歴史ある温泉街。湯けむりが立ち上る独特の風景は、訪れる人々にどこか懐かしさを感じさせるとともに、今も変わらず温泉の恵みを受け継いでいることを実感させてくれます。
昭和の面影が残る町並みには、昔ながらの湯治宿や貸間が点在し、一方で新しいカフェや観光施設も増え、伝統と現代が絶妙に融合しています。そんな鉄輪温泉の魅力を、温泉文化やグルメを通して体験してきました。

湯けむり漂う街で味わう、鉄輪むし湯の体験

鉄輪むし湯の入口
石菖(せきしょう)という薬草が敷かれた蒸し風呂のある「鉄輪むし湯」
鉄輪むし湯の全景
風情ある建物。写真手前にある石造りの建物が「むし湯」部分になります。

鉄輪温泉といえば、「むし湯」。この伝統的な温泉療法は、鎌倉時代の建治2年(1276年)に一遍上人 によって創設されたとされ、約750年の歴史を持ちます。

鉄輪むし湯は、約8畳ほどの石室の床下から温泉の噴気が噴き出し、室内を約75℃ に保つ仕組みになっています。床には石菖(せきしょう) という薬草が敷き詰められており、蒸気とともに薬草の香りが広がります。清涼感のある香りに包まれながら、身体が芯から温まり、額に玉のような汗が浮かびます。

むし湯を利用する際には、施設で貸し出される浴衣(220円)を着用します。また、石造りの枕を使用するため、タオルを敷いて横になるのが基本です。入浴料は700円 で、基本的な入浴時間は8分間、希望すれば追加で2分間の延長も可能です。

この蒸し湯には、

  • 冷え性の改善
  • 美肌効果
  • デトックス効果

といった健康効果があるとされ、古くから湯治場として親しまれてきました。

蒸し湯を楽しんだ後は、併設の温泉(塩化物泉)で汗を流し、すっきりとリフレッシュ。浴後は体がぽかぽかと温まり、長時間心地よい余韻が続きました。

鉄輪むし湯

  • 住所:大分県別府市鉄輪上1
  • 電話番号:0977-67-3880
  • 営業時間:7:30~19:30(最終受付19:00)

足蒸し湯で感じる鉄輪ならではの温もり

足蒸し湯
足蒸し湯は蒸気の出る釜に足を入れて木製の木箱で蓋をして楽しみます。
足蒸し湯の様子
木の箱と太ももの間をタオルなどで塞ぐと蒸気が逃げず効果が上がります。

鉄輪むし湯の前には、無料で利用できる「足蒸し湯」があります。一般的な足湯とは異なり、温泉から立ち上る蒸気を利用して膝から下を温める独特の入浴法 です。

専用の木製蒸し釜に足を入れ、蓋を閉めて隙間をタオルでふさぐことで、蒸気を逃さずじっくりと温めます。蒸気の温度は適度で、冬場でも足元がぽかぽかと心地よく温まる のが特徴です。

この足蒸し湯には、

  • 血行促進
  • むくみ改善
  • リラックス効果

といった効果があるとされ、長時間の散策で疲れた足を癒すのに最適なスポットです。

施設は瓦屋根のある風情ある造りで、観光客にも親しまれています。
無料で利用できるため、鉄輪温泉散策の合間に気軽に立ち寄ることができるのも嬉しいポイントです。

鉄輪むし湯足蒸し

  • 住所:大分県別府市鉄輪井田
  • 営業時間:7:30~19:00

貸間:湯治文化を感じる宿泊スタイル

貸間の旅館の看板
湯治客が利用する「貸間」の看板
鉄輪温泉地区の路地
路地の排水口からも蒸気が噴出しています。

鉄輪温泉の町を歩くと、あちこちに「貸間」 の看板を見かけます。貸間とは、部屋を借りて自炊しながら長期滞在できる、湯治向けの宿のこと。温泉街に点在し、長期滞在者向けにリーズナブルな価格で提供されています。
ネット上では予約情報がほとんどなく、昔ながらの電話予約が主流のようです。1泊5,000円未満 で宿泊できるという情報もあり、次回はぜひ湯治体験をしてみたいと思いました。

地獄めぐり:血の池地獄

湯気がもくもくと上がる血の池地獄
血の池地獄

今回は、地獄めぐりの中でも 「血の池地獄」 を訪れました。亀の井バスの路線バスを利用し、入場料は500円。子どもの頃に一度訪れたことがあるのですが、数十年ぶりに目にすると、当時の記憶と少し異なっていました。

「血の池」という名前の通り、池全体が真っ赤な印象が強かったのですが、今回訪れると、一部は赤みが薄くなっている部分も。時代の変化か、それとも記憶が美化されていたのか。とはいえ、再びこの景色を見られたことは感慨深く、改めて別府の魅力を再確認しました。

血の池地獄

  • 住所:大分県別府市野田778
  • 電話番号:0977-66-1191
  • 営業時間:8:00~17:00
  • 料金:大人500円 小人250円
    (7箇所の地獄が巡れる共通券は大人2,400円 小人1,200円)

地獄蒸し:温泉の蒸気で味わう絶品料理

地獄蒸し料理(大分県産豚バラ盛り、かんなわ肉まん、石仏たまごの地獄蒸し卵)
大分県産豚バラ盛り、かんなわ肉まん、石仏たまごの地獄蒸し卵

鉄輪温泉のもう一つの名物といえば 「地獄蒸し」。温泉の蒸気を利用して、肉や魚介類、野菜を蒸し上げる調理法です。

温泉街の至るところに 「地獄釜」 と呼ばれる専用の蒸し場があり、旅館や貸間の前にも設置されていることが多く、宿泊者が自由に楽しめるようになっています。地獄蒸し料理を提供する飲食店もあり、地元の食材を温泉の力でじっくりと蒸し上げることで、素材本来の旨味が際立ちます。

今回の旅では、里の駅 かんなわ内にある「蒸de喜屋(じょうできや)」で地獄蒸し料理を堪能 しました。注文したのは、大分産の豚肉とキャベツの地獄蒸し(1,680円)、かんなわ肉まん(470円)、石仏たまごの地獄蒸したまご(180円)、そしてデザートのプリン(280円)です。

キャベツは甘みが引き立ち、豚肉は余分な脂が落ちてさっぱりとした味わい。温泉の蒸気で調理されたことで、素材本来の美味しさが最大限に引き出されていました。デザートのプリンも、なめらかで濃厚な味わいが特徴で、大満足の一品でした。
飲み物などは併設されているお土産屋さんで購入したものを持ち込む形となりますのでリーズナブルに楽しめます。

寒い時期に訪れたのですがテラス席のみだったのでその点が少し残念だったポイントです。
次回訪れる際は、魚介類の地獄蒸しにも挑戦してみたい と思います。

蒸de喜屋(じょうできや)

  • 住所:大分県別府市北中 1組
  • 電話番号:0977-66-1233
  • 営業時間:8:00~19:00
  • 料金:別途釜代880円(持ち込み食材の場合2,728円)

温泉の熱を利用した竹製冷却装置

竹製温泉冷却装置
源泉を上から落とし竹の枝で分散させることで温度を下げる仕組み(温泉成分を損なうことなく適温にする素晴らしい装置です)
竹製温泉冷却装置
蒸気で白く煙っています。
竹製温泉冷却装置の説明書き
温泉冷却装置の説明書き

鉄輪温泉では、温泉の熱を利用した竹製冷却装置 という独自の仕組みを見ることができます。この装置は、高温の温泉水を竹の中を通すことで自然に冷却し、適温になった湯を各施設に供給するというもの。鉄輪の温泉資源を無駄なく活用する工夫の一つであり、環境に優しい技術です。

別府鉄輪温泉は、懐かしさと新しさが共存する温泉地

鉄輪温泉は、昔ながらの湯治文化が色濃く残る街並みの中に、新しい施設が昔の雰囲気を壊さずに共存している場所 だと感じました。古くからの温泉宿や貸間が立ち並ぶ一方で、カフェやコワーキングスペースなど、新しい空気を感じる場所も増えてきています。

次回は、貸間宿泊や、ほかの地獄めぐりも楽しみながら、さらにディープな鉄輪温泉を体験してみたいと思います。