私にとって、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」は、単なる一冊の本ではなく、今の生活や金融知識を得るに至る原点となった本です。
本書を読む前の私は、多くの人と同じように、次のようなことが「当たり前」だと考えていました。
- サラリーマンとして定年まで働く
- 生命保険には「安心」のために加入するべき
- ある程度の年齢になれば住宅ローンを組んでマンションを購入する
つまり、「真面目に働いて貯金し、リスクを避けながら老後に備えること」が、「普通の」生き方だと思っていました。
しかし、本書を読んだことで、その考え方が大きく覆されました。「資本主義のルールを理解し、活用することで、より自由で豊かな人生を手に入れられる」という視点を初めて持つことができたのです。
「なぜサラリーマンは税制上不利なのか?」「なぜ資本を持つ者が有利なのか?」といった疑問に対し、本書は具体的なデータや理論をもとに、わかりやすく解説しています。
この本をきっかけに金融や経済の知識を深め、実践してきたことで、私自身の資産形成の考え方も大きく変わりました。
今回は、本書の内容を振り返りながら、特に印象に残ったポイントを紹介していきます。
資産形成や税金の知識を深めたいと考えている方にとって、必ず役立つ一冊になるはずです。
1. 本の概要:お金持ちになる方法は“黄金の羽根を拾う”こと?
本書のタイトルにもある「黄金の羽根」とは、著者・橘玲氏が定義する「制度の歪みから構造的に発生する幸運」のことを指します。
これは、単なる偶然のチャンスではなく、社会の仕組みを理解し、適切に活用することで手に入る“大きな利益をもたらす機会”です。
本書では、資本主義社会におけるお金の流れや税制、社会保障制度の仕組みを解説し、それらを理解することで「黄金の羽根」を拾う方法を具体的に示しています。
つまり、知識があるかどうかで、人生の経済的自由度は大きく変わるという考え方が根底にあります。
本書の主なポイントは以下の通りです。
✔ 税金の仕組みを理解し、負担を最適化する
✔ 労働収入だけに頼らず、資本収入を増やす
✔ 社会保障制度のメリットを最大限活用する
特に、日本の税制や社会保障は「サラリーマンにとって不利な構造」になっており、その仕組みを知らずにいると、無意識のうちに「損をする側」に回ってしまうという点が本書の重要な指摘です。
逆に、制度を理解し、活用できる立場に立つことで、資本主義社会の中でより有利に生きることが可能になります。
この本は、単なる「お金を増やすノウハウ本」ではなく、「社会の仕組みを正しく理解し、活用することこそが、経済的自由への近道である」という視点を読者に提供してくれる一冊です。
2. 印象に残ったポイント
本書には、思わず考えを改めさせられるような示唆に富んだポイントが数多く散りばめられています。中でも特に印象に残った3つの点を紹介します。
① 日本の税制は“サラリーマン”に厳しく、経営者に優しい
本書では、日本の税制はサラリーマンにとって不利な構造になっていることをわかりやすく説明しています。給与所得者は基本的に源泉徴収で自動的に税金が引かれ、節税の余地がほとんどないのに対し、個人事業主や法人はさまざまな控除や経費を活用できるため、実質的な税負担を減らしやすいという点です。
✔ じゃあ、どうすればいい?
➡ 副業やフリーランス、法人化を検討することで税負担を軽減できるというのが著者の提案。
特に、一定以上の収入がある人なら、個人事業主や会社を設立することで「黄金の羽根」を拾いやすくなるという視点は参考になりました。
② 住宅ローンを組んで住まいを購入することは、レバレッジを掛けたリスクの高い投資である
多くの人は、「家を買うこと=安定した生活を手に入れること」と考えがちですが、本書では住宅購入は本質的に“投資”であり、しかもレバレッジ(借金)を掛けたリスクの高い投資であると明確に指摘されています。
住宅ローンを組むということは、数千万円という大金を借りて、その資産価値が将来どうなるかわからない不動産を取得することです。
つまり、これは自分が不動産投資をしているという認識を持つべきだということです。
しかし、多くの人は「マイホームだから投資ではない」と思い込んでしまい、そのリスクを軽視しがちです。
また、「住宅価格は必ずしも右肩上がりではない」ことも重要な指摘です。
特に人口減少が進む日本では、不動産の資産価値が下がるリスクもあります。
そのため、「住まいだから」という感覚で購入するのではなく、「自分は今、不動産投資をしている」という意識を持ったうえで判断すべきという視点が示されています。
③ 生命保険の仕組みや考え方が、世間の常識とは異なることをわかりやすく説明している
多くの人が「安心のために生命保険には入るべき」と考えていますが、本書では、生命保険は本質的に「損をすることに意味があるもの」であると説明されています。
生命保険は、そもそも加入者全員が得をする仕組みにはなっていません。
一部の人(事故や病気に遭遇した人)が助かるために、多くの人が損をするというのが保険の基本構造だからです。
この点を理解せずに「保険に入れば安心」と考えるのは、単なる思い込みにすぎません。
本書では、「生命保険は、経済的に依存している家族(子どもや専業主婦の配偶者など)がいる人にとっては有用だが、それ以外の人にとっては不要なケースが多い」と指摘されています。
つまり、自分が“損をすることに意味がある”立場なのか、それとも不要なコストを払い続けているのかを見極めるべきということです。
また、保険会社のビジネスモデルを理解すると、「結局のところ、加入者の大半が“保険料”という形で損をする仕組みになっている」という視点も見えてきます。
本書を読むことで、「なんとなく必要だと思っていたものを、本当に必要なのか?」と見直すきっかけになるでしょう。
このように、本書では「世間の常識」とされているお金に関する考え方を、資本主義のルールに基づいて再考するきっかけを与えてくれます。
4. こんな人におすすめ
本書は、単なるお金のハウツー本ではなく、資本主義の仕組みを理解し、それを活用するための本質的な視点を提供する一冊です。以下のような人に特におすすめできます。
✔ 税金や社会保障の仕組みを知り、賢く活用したい人
税制や社会制度の“歪み”を理解し、無駄な負担を減らしながら、資産形成に活かしたいと考えている方。
✔ 会社員としての収入だけに頼らず、副業や投資を通じて資産を増やしたい人
給与所得だけでなく、資本収入(株式投資・不動産・事業収入)を得ることで、経済的な自由を目指したい人。
✔ フリーランスや法人設立を行い、リスクを取りながらも新しいことに挑戦したい人
サラリーマンの枠を超え、起業や独立を視野に入れながら、社会のルールを上手く活用して柔軟な生き方を模索したい人。
本書を読むことで、これまでの「当たり前」が覆され、より合理的で自由な選択肢を持つことができるようになります。
5. まとめ & Amazon購入リンク
「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」は、単なる資産形成のノウハウ本ではなく、資本主義という仕組みの本質を理解し、賢く活用するための思考法を学べる一冊です。
本書では、
- 税制や社会保障の“歪み”を理解し、それを活用することで資産を築く方法
- 労働収入に依存せず、資本収入を増やす重要性
- 住宅購入や生命保険といった“常識”を見直し、本当に合理的な選択をする視点
といった重要なポイントが、具体的なデータや理論をもとにわかりやすく解説されています。
私自身、本書を読んだことで「お金の本質的なルール」を知り、資産形成に対する考え方が大きく変わりました。
特に、住宅購入や生命保険に対する従来の価値観を見直し、会社員としての収入だけに頼らず、投資や副業を通じて資産を増やす重要性を実感しました。
この本を手に取ることで、今まで当たり前だと思っていたお金に関する常識を根本から考え直すきっかけになるはずです。
ぜひ一度読んで、あなた自身の「黄金の羽根」を見つけるヒントにしてみてください。
6. おわりに
私自身、2020年に発刊された原書に出会い、それまで当たり前だと思っていた常識や価値観を疑うきっかけを得ました。
この本を読んで初めて、「自分が知っている世界の外に、まったく違うルールで動いている世界がある」ことを実感しました。
本書で語られている内容は、決して複雑な理論ではなく、言っていること自体は非常にシンプルです。
しかし、本質的なことというのは得てして単純なものであり、それを理解し行動に移せるかどうかが、人生の選択肢を大きく左右するのだと感じました。
また、現代の社会には政治や経済に対するさまざまな不満があるかもしれません。でも、まずは「今あるルールの中で、自分にとって最適な生き方を模索する」ことが大事なんじゃないかと思います。
制度に振り回されるのではなく、制度を上手に使う——そんな視点を持つだけで、人生の可能性は大きく広がるはずです。
この本を読んだことで、私自身の考え方や生き方も変わりました。
これまでの常識にとらわれず、より自由で合理的な選択をしていきたい、そんなふうに思わせてくれる一冊です。