

大阪南港と新門司港を結ぶ「名門大洋フェリー」は、夜行便で快適に九州へ移動できる人気のフェリーです。
今回は実際に「フェリーおおさかⅡ」のツーリスト禁煙部屋(定員16名)を予約し、大阪南港から新門司港まで乗船しました。
本記事では、予約方法・料金・乗船手続きから、船内の客室や食事、大浴場などの設備、下船後の小倉駅までのバス移動までを写真付きで詳しく紹介します。
これから名門大洋フェリーを利用して九州旅行や出張を計画している方は、ぜひ参考にしてください。
名門大洋フェリー「フェリーおおさかⅡ」とは?
名門大洋フェリーは、大阪南港と福岡県の新門司港を結ぶ夜行フェリーで、関西と九州をリーズナブルに移動できる交通手段です。飛行機や新幹線と比べて運賃が安く、夜間の移動を活用して時間を有効に使えるのが大きな魅力です。
現在は以下の4隻体制で運航しています:
- フェリーきょうと(2021年就航)
- フェリーふくおか(2022年就航)
- フェリーおおさかⅡ(2015年就航)
- フェリーきたきゅうしゅうⅡ(2015年就航)
新しい「フェリーきょうと」「フェリーふくおか」は設備も最新で快適性が高く、人気の高い船です。今回利用した「フェリーおおさかⅡ」も2015年就航と比較的新しく、客室や大浴場、レストランなどの設備が充実しています。
運航ダイヤと所要時間
大阪南港 → 新門司港
便名 | 出発地 | 出発時刻 | 到着地 | 到着時刻 | 所要時間 |
---|---|---|---|---|---|
1便 | 大阪南港 | 17:00 | 新門司港 | 翌朝5:30 | 約12時間30分 |
2便 | 大阪南港 | 19:50 | 新門司港 | 翌朝8:30 | 約12時間40分 |
新門司港 → 大阪南港
便名 | 出発地 | 出発時刻 | 到着地 | 到着時刻 | 所要時間 |
---|---|---|---|---|---|
1便 | 新門司港 | 17:00 | 大阪南港 | 翌朝5:30 | 約12時間30分 |
2便 | 新門司港 | 19:50 | 大阪南港 | 翌朝8:30 | 約12時間40分 |
※ダイヤは季節や曜日によって変更になる場合があります。最新の運航スケジュールは名門大洋フェリー公式サイトでご確認ください。
夜出発して翌朝に到着するため、宿泊費を節約しながら快適に移動できるのが大きなメリット。車やバイクを載せて九州へ旅行する人にも人気の航路です。
予約方法と料金
名門大洋フェリーの予約は、公式サイトから簡単に行うことができます。
今回は「フェリーおおさかⅡ」のツーリスト禁煙部屋(定員16名)を予約しました。
予約方法の手順
実際の予約画面をキャプチャしながら解説します。
- Step1公式サイトにアクセス
トップページの「ご予約」ボタンをクリック。
- Step2日付と乗船便を選択
乗船日を選択の上、乗船便を選択します。
1便(17:00発)または2便(19:50発)を選択。
便によって到着時間が異なるので、旅程に合わせて選びましょう。 - Step3客室タイプの選択
今回は「ツーリスト禁煙部屋(16名定員)」を選びました。
個室より料金を抑えられるため、コスパ重視の方におすすめです。
ベッドの場所も選択できるので空き状況を確認しながら選べるのはいいと思いました。 - Step4車輌・バイクでの乗船の有無
今回は徒歩乗船のため、「なし」を選択
- Step5割引・プラン選択
該当する割引・プランが表示されるので条件にあったものを選択します
- Step6乗船者情報の入力と支払い
このセクションではJR門司駅・小倉駅行の無料送迎バスの利用選択画面もあります(予約ではありません)車輌手配の関係があるので予定している情報を入力します。
これで予約完了です。乗船券はWeb上のQRコードで乗船が出来ますので当日の手続きは不要です。
料金について
名門大洋フェリーの料金は、以下の3点で変動します:
- シーズン区分:(A期間=通常期/B期間=繁忙期/C期間=最繁忙期)
- 客室ランク:スイート・デラックス・ファースト系・ツーリスト・エコノミーなど
- 乗船方法:徒歩乗船・車両(車・バイク)航送など
歩いて乗船される方(徒歩乗船)の中でも、今回利用する「ツーリスト(相部屋)」に絞った料金を以下にまとめました:
徒歩乗船(ツーリスト)の料金表
客室 | A期間(通常期) | B期間(繁忙期) | C期間(最繁忙期) |
---|---|---|---|
ツーリスト | 8,910円 | 10,120円 | 11,940円 |
※料金には「消費税」と「燃料油価格変動調整金」が含まれています。
日によってB・C期間が適用されるため、乗船日の運賃カレンダーで事前チェックが推奨されます。
割引制度も活用可能!
徒歩乗船でも以下の割引が適用されることがあります:
- 船得(WEB割引):インターネット予約で1便:25%オフ、2便:20%オフなど
- 学生割引、シルバー割引、往復割引:いずれも公式サイトで詳細確認・予約時に対応可能です
自動車・バイクでの航送料金は補足で紹介
徒歩乗船の読者には不要かと思われますが、車やバイクでの乗船を考える人も一定数いるため、簡単に補足します:
- 乗用車の場合(A期間)例:長さ3m未満で15,840円、3~4m未満で20,240円など。
- 車・バイクの利用は施設によって料金体系が異なり、詳細や予約可否については公式ページの「運賃・料金」セクションを参照するのが確実です。
大阪南港フェリーターミナルでの乗船手続き

名門大洋フェリーの大阪南港フェリーターミナルは、ニュートラム南港ポートタウン線「フェリーターミナル駅」から徒歩すぐの場所にあります。案内板も整備されているので、初めてでも迷いにくい立地です。
アクセス方法
- 電車
- Osaka Metro中央線「コスモスクエア駅」または四つ橋線「住之江公園駅」でニュートラムに乗り換え、「フェリーターミナル駅」で下車。
- バス
- 南海バスのみ運行。南海堺駅または南海堺東駅行きのバスが利用可能。
- 車
- 阪神高速湾岸線「南港北IC」から約10分、ターミナルには駐車場あり。
チェックインの流れ
- 電話予約・窓口予約の場合
フェリーターミナル1階の受付で乗船券を受け取ります。 - WEB予約の場合
QRコードが発行されるので、窓口での手続きは不要。そのまま待合場所で乗船開始を待てます。
ターミナル内の施設
- 待合所と自動販売機あり。
- 弁当やお菓子の販売はないため、飲食物は隣接するローソンで購入しておくのがおすすめです。
乗船開始
- 待合場所にあるゲートでQRコードをスキャンし、乗船通路を進みます。
- 特に1便(17:00発)は、通路から乗船口までの距離が長めなので、余裕を持って移動しましょう。
ツーリスト指定ベッド席(定員16名)のレビュー
今回利用したのは「ツーリスト指定ベッド席(定員16名)」です。相部屋形式ながら、工夫された造りで一人旅にも二人旅にも使いやすい客室でした。
部屋の構成





- 両端のベッドは他の人と視線が合わない造りになっているため、一人旅の方には特におすすめ。
- 二人で利用する場合は、上段・下段の横並びベッドを選ぶと、ある程度プライバシーを確保できます。
- 各ベッドには以下の設備があります:
- カーテン・読書灯・コンセント
- 小物置きスペース
- ドリンクホルダー
- ハンガーラック ×2
- マットレス・シーツ・枕
実際に利用した感想
- 同室は私を含めて5名程度で、物音は多少あったが全体的に静かでした。
- 荷物はベッドの足元に置いて利用。キャリーケースの場合は有料の船内ロッカー利用がおすすめです。
- 客室が船内側に位置するため、携帯電話の電波は入らず圏外。ただし、船内Wi-Fiは比較的安定して利用できました(速度や注意点は後のセクションで紹介します)。
- 船の揺れや機械音はほとんど気にならず、耳栓や酔い止めは不要でした(ただし持参しておくと安心)。
船内設備とサービス(フェリーおおさかII)1便
名門大洋フェリー「フェリーおおさかⅡ」には、長時間の船旅を快適にするための設備が整っています。実際に利用して感じた特徴を紹介します。
レストラン(夕食・朝食)
- 料金
- 夕食:大人 2,000円
- 朝食:大人 500円
- 夕朝食セット:2,300円
- 生ビールの自動販売機もあり
- 夕食の感想
温かい食事を船内でとれるのはありがたいですが、さんふらわあのバイキングに比べると「品数は豊富だがご当地グルメは少ない」という印象。
メニュー名が表示されていない料理もあり、初めての人には少し分かりづらいと感じました。導線も一直線ではないため、慣れていないと迷いやすいですが、席数は十分にあり、一人用の窓側席も設置されています。窓側は混雑気味ですが、それ以外は落ち着いた雰囲気で、皆さんゆっくり過ごしていました。 - 朝食の感想
内容はパン食中心で、ゆで卵・ウィンナー・サラダ・トースト・バターロールとシンプル。価格的には妥当ですが、船旅を楽しむ観点からは少し物足りなさを感じました。 - 営業時間
- 夕食:17:00~20:00
- 朝食:4:30~入港20分前まで
展望浴場・シャワールーム

- 展望浴場
- 入口にロッカーの利用状況がモニター表示され、混雑度が一目でわかる仕組み。
- さんふらわあや阪九フェリーと比べると浴場はやや小さめ。
- シャンプー類は馬油系が備え付け。洗面台はドライヤーとティッシュのみで、綿棒などはなし。
- 営業時間:16:00~22:00(翌朝はクローズ)
- シャワールーム
- 営業時間:16:00~翌朝入港10分前まで利用可能

売店
- 九州や関西のお土産品、軽食や飲み物を販売
- 営業時間:16:00~21:00、翌朝4:30~入港まで
- 食堂・売店ではクレジットカード利用可能
Wi-Fiと通信環境

- 利用方法:メールアドレスを登録して利用する方式
- 利用制限:1回30分 × 3回/1乗船につき(翌日に持ち越し不可)
- 速度:実測で120~130Mbpsと高速で快適
- 感想:船室でもWi-Fiが利用でき、携帯の電波が入らないエリアでも助かりました。
コインロッカー・セーフティーボックス・充電器


- コインロッカー
- 小:100円(39×35×45cm)
- 中:200円(53×35×45cm)
- 大:300円(80×35×51cm)
- セーフティーボックス:無料・暗証番号式
- 携帯充電器:30分100円
プロムナード・展望ラウンジ
- プロムナード:長机と椅子が並び、外を眺めながら食事や読書ができるスペース
- 展望ラウンジ:夜間は照明が落とされ、夜景を見ながらゆっくりできる空間


喫煙室・ゲームコーナー・自販機
- 喫煙室:船内の複数箇所に設置
- ゲームコーナー:スロット・クレーンゲームあり
- 自販機コーナー:ソフトドリンク、アルコール、カップ麺、アイスなど。価格は陸上と大差なし
- 電子レンジ:設置あり。コンビニで購入した弁当や総菜を温め可能
船旅の過ごし方
出港シーン


出港時はまだ日が明るく、デッキからは2025年大阪・関西万博の会場(大屋根リング)を眺めることができました。
その後はデッキで海風を感じながら外の景色を楽しみ、船内の各施設を見て回りました。
夕食と夜の船内
18時前にはレストランへ向かい、夕食バイキングと生ビールをいただきながら、外の風景や明石海峡大橋を眺めました。


食後は大浴場の混雑状況を確認しつつ入浴。その後は自分のベッドでネットを楽しみ、のんびりと過ごしました。
1便の場合、瀬戸大橋通過は21時30分頃。ちょうどその時間にデッキに上がり、橋の下をくぐる迫力のあるシーンを眺めることができました。

就寝と翌朝の流れ
翌朝の到着は5時30分と早いため、夜は早めに就寝。
朝4時には船内アナウンスが入り、部屋の照明も点灯します。
4時30分から始まる朝食の前にはデッキに上がり、まだ夜明け前の暗闇の中を航行する様子を眺めました。
その後、レストランで朝食バイキングをとり、身支度を整え、新門司港に入港する5時30分まで外の風景を楽しみながら過ごしました。
下船と新門司港から小倉駅への移動
下船の流れ


新門司港には定刻の5時30分に到着しました。
入港後はエントランスに下船を待つ乗客が集まり、徒歩下船の列に並んで待機します。船内アナウンスで下船開始の案内が流れると同時に列が進み、順番に下船していきました。
小倉駅行き連絡バス
新門司港ターミナルの出口には、JR門司港経由・小倉駅行きの連絡バスが待機しています。

- 乗客の下船を確認してから出発
- このときは5時40分すぎにターミナルを出発
- 運賃は無料
- 所要時間:約40分
- 小倉駅北口のバスロータリー横の駐車場で下車
(阪九フェリーの連絡バスとほぼ同じ位置)

実際に利用した感想
- 早朝でもフェリー到着に合わせて運行されるため安心でした。
- 車内は観光バスタイプで座席も広く、快適に移動できます。
- このときは道路も空いており、小倉駅到着は定刻の6時20分頃。新幹線や在来線への乗り継ぎもスムーズで、朝早くから予定を立てやすいと感じました。
まとめ
大阪南港から新門司港まで運航する名門大洋フェリー「フェリーおおさかⅡ」に実際に乗船し、ツーリスト指定ベッド席(定員16名)を利用しました。
今回の乗船で感じたメリットは以下の通りです:
- 夜行フェリーなので時間を有効活用できる
大阪を夕方に出発し、翌朝早く九州に到着できるため、移動と宿泊を兼ねられます。 - 料金と快適性のバランスが良い
ツーリスト禁煙部屋はリーズナブルながら、カーテンやコンセント付きで快適に過ごせました。 - 船内設備が充実している
レストラン、大浴場、売店、Wi-Fi、ラウンジなど、長時間でも退屈しない環境が整っています。 - アクセス・下船後の移動もスムーズ
大阪南港はニュートラム「フェリーターミナル駅」から徒歩すぐ、新門司港からは無料の連絡バスで小倉駅まで直行できるため安心。
個人的な感想
阪神間から新門司港への航路といえば「阪九フェリー」も選択肢に挙げられます。
出港地が神戸や泉大津になりますが、それでも不便がない人にとっては、船の新しさや設備面を考えると阪九フェリーの方がおすすめだと感じました。今回利用したフェリーおおさかⅡは2015年就航で、名門大洋フェリーの中ではやや古い部類に入るため、その点は考慮に入れる必要があります。
一方で、Wi-Fi環境は名門大洋フェリーが優秀。阪九フェリーやさんふらわあと比べても通信速度・安定性が高く、ネット環境を重視する人には強くおすすめできます。
総合的には、コストを抑えつつ快適に移動したい旅行者や出張利用者におすすめのフェリーです。特に「夜はぐっすり休んで、翌朝から九州で活動を始めたい」方や、船内で快適にネットを使いたい方には最適な選択肢になるでしょう。
関連記事リンク
今回の名門大洋フェリー乗船記とあわせて、他のフェリーとの比較記事も参考にしてみてください。
- ▶ 阪九フェリー「やまと」乗船記|神戸〜新門司を快適移動!さんふらわあとの違いも徹底比較
(神戸発の阪九フェリーを詳しくレビュー。さんふらわあとの違いも紹介しています) - ▶ さんふらわあ乗船記|神戸〜大分を結ぶ「弾丸フェリー」体験レポート
(お得な「弾丸フェリー」を利用した体験談。食事や大浴場、客室設備を写真付きで解説)