私が勤めていた会社では中退共(中小企業退職金共済制度)に加入しており、退職にあたって中退共からも退職金の支給を受けました。本記事では、楽天銀行(ネット銀行)を振込先に指定して退職金を受け取った実体験(2023年)をもとに、制度の概要・必要書類・手続き手順・スケジュールについて詳しく解説します。
「ネット銀行でも受け取れるか?」「口座確認印がなくて大丈夫?」という疑問に答えます。
中退共(中小企業退職金共済制度)とは?
昭和34年に設けられた国の中小企業支援制度です。企業が従業員の退職金を毎月中退共に積み立て(掛金納付)、退職時に従業員が直接中退共に請求して受け取る仕組みです。
制度の主なメリット
- 企業が倒産しても退職金を受け取れる(国の機関が管理)
- 掛金は全額損金算入(企業側の税務メリット)
- 新規加入・増額時に国・都道府県からの助成あり
⚠️ 重要な注意点
退職金は退職者本人が手続きして初めて支給される制度です。会社の退職金とは別の手続きが必要で、何もしないと受け取れません。
楽天銀行などネット銀行でも退職金は受け取れる?
結論:問題なく受け取れます。
ネット銀行には通帳・印鑑がないため「口座確認印」がありませんが、代わりに口座情報(氏名・支店名・口座番号)が表示された画面のコピーを提出すればOKです。
私自身、楽天銀行のマイページにログインして「入金方法」の口座情報画面を印刷して提出し、問題なく処理されました。
📌 楽天銀行での操作手順(2023年実績)
ログイン → 「入金・振込」 → 「入金方法の確認」 → 口座名義人・支店名・口座番号が表示されているページを印刷して添付

退職金共済手帳の3枚構成を理解しておこう
会社から渡される「退職金共済手帳」は3枚セットです。
| 枚数 | 書類名 | 対応 |
|---|---|---|
| 1枚目 | 掛金月額変更申込書 | 手元で保管(提出不要) |
| 2枚目 | 被共済者退職届 | 会社が中退共に提出(本人は関与しない) |
| 3枚目 | 退職金(解約手当金)請求書 | 本人が記入・提出 |
退職金請求に必要な書類
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 退職金(解約手当金)請求書 | 退職金共済手帳3枚目。必要事項を記入 |
| マイナンバー入り住民票 | 発行日から3か月以内・原本のみ(コピー不可) |
| 本人確認書類のコピー | 運転免許証・保険証など。A4用紙に原寸大でコピー |
| 口座確認書類 | 通帳コピー(通帳がある場合)またはネット銀行の口座情報画面の印刷 |
マイナンバー入り住民票の取得方法
役所の窓口で申請する際、申請書の「個人番号(マイナンバー)」の欄にチェックを入れるだけで取得できます。コンビニ交付でも取得できますが、機種によって対応が異なる場合があるため、窓口での取得が確実です。

請求書の記入ポイント
退職金(解約手当金)請求書の記入時に迷いやすいポイントをまとめます。
- 提出日:書類の発送日を記入でOK
- 支給プラン:60歳未満は原則「一括払い」を選択
- 振込先口座欄:ネット銀行の場合は口座情報画面の印刷を添付
退職所得申告書欄(左下)は必ず記入を
請求書の左下には退職所得申告書の欄があります。この欄に必要事項を記入することで、税務署所定の「退職所得の受給に関する申告書」の別途提出が不要になります(退職した年に中退共からのみ退職金を受給する場合、または中退共が第一支払の場合)。
申告書欄の中に「確認欄」があります。通常は記入不要ですが、以下の条件に該当する場合は「有」と記入が必要です。
- 退職した年(本年中)に、他の退職手当の支払を受けたことがある
- 退職した年の前年以前4年以内に、退職手当の支払を受けたことがある
「有」に該当する場合は、税務署所定の「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」原本と、退職した年に他の退職手当を受けた場合はその「退職所得の源泉徴収票」の写しも併せて添付が必要です。
⚠️ 申告書欄を記入しないと20.42%が源泉徴収されます
退職所得申告書欄に記入がない場合、退職金額から20.42%に相当する税金が源泉徴収されます(平成25年1月1日から令和19年12月31日までに退職の方は復興特別所得税を含む)。

記入要領の詳細は退職金(解約手当金)請求書記載要領(公式PDF)でご確認ください。
2つの請求方法:郵送 or 電子申請
中退共への請求は郵送と電子申請の2つの方法があります。私が申請した2023年時点では郵送のみで手続きを行いました。現在は公式サイトで「退職金請求フォーム」によるオンライン電子申請も提供されています。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 郵送(実体験あり) | 書類を中退共本部に郵送。書留・特定記録郵便推奨 |
| 電子申請(公式提供) | 中退共公式サイトの「退職金請求フォーム」からオンライン手続き可能。PCのみ対応(スマートフォン不可)。書類のスキャンデータ添付が必要 |
郵送先
〒170-8055 東京都豊島区東池袋1-24-1
独立行政法人 勤労者退職金共済機構 中退共本部 給付業務部
書類提出から入金までのスケジュール
実体験(2023年の場合)
- 8月6日:書類を特定記録郵便で提出
- 9月初旬:中退共から「退職金等振込通知書」が届く
- 9月14日:楽天銀行に入金(書類提出から約5週間)
公式の目安
通常は書類受付から約1か月。掛金の納付状況によっては2か月半程度かかるケースもあります。余裕を持ったスケジュールで申請することをおすすめします。
よくある疑問(FAQ)
- Qネット銀行でも受け取れますか?
- A
問題ありません。口座確認印の代わりに、氏名・支店名・口座番号が表示されたログイン後の画面を印刷して添付してください。私は楽天銀行で問題なく受け取れました。
- Qいつ頃から手続きを始めればよいですか?
- A
退職後、退職金共済手帳を受け取り次第すぐに始めるのがおすすめです。提出から入金まで最大2か月半かかることがあります。
- Q会社の退職金と中退共の退職金は別々に手続きが必要ですか?
- A
はい。中退共の退職金は本人が直接中退共に請求する必要があります。会社の退職金とは全く別の手続きです。
- Q確定申告は必要ですか?
- A
請求書の退職所得申告書欄を記入していれば、源泉分離課税で課税関係が完結するため確定申告は通常不要です。記入しなかった場合は20.42%が源泉徴収されるため、確定申告での精算が必要になります。
- Q電子申請はスマートフォンでできますか?
- A
できません。電子申請はPCのみ対応です。スマートフォンからの申請には対応していないため、その場合は郵送をご利用ください。
まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| ネット銀行 | 口座情報画面の印刷で代替可能・問題なく受け取れる |
| 必要書類 | 請求書・マイナンバー入り住民票(原本)・本人確認書類コピー・口座確認書類 |
| 退職所得申告書欄 | 請求書左下に必ず記入(記入なしは20.42%源泉徴収) |
| 請求方法 | 郵送 or 電子申請(PCのみ)の2択 |
| 入金目安 | 1か月〜最大2か月半 |

