神戸から大分行きの「さんふらわあ」、舞鶴から小樽行きの新日本海フェリー——実際に舞鶴発着で北海道行きのフェリーに乗ってみて感じたのは、「関西からフェリーで、結局どこまで行けるのか」を一覧で調べられる場所が意外とないということでした。
会社ごとに運賃表のフォーマットも違えば、部屋タイプ・時期・車の有無・ペット同伴の可否によって金額も大きく変わります。そこで、関西(神戸・大阪・泉大津・舞鶴・敦賀)発着の長距離フェリー全11航路を、各社の公式運賃表をもとに一覧比較できるシミュレーターを作りました。この記事では、その使い方と、航路ごとの特徴をまとめています。
このシミュレーターの使い方
出発地・到着地はどちらか片方だけの指定も可能です。「関西からどこに行けるか」を探したいときは出発地だけ、「あの街へは関西のどこから出ているか」を知りたいときは到着地だけを選んでください。部屋タイプ・車の有無・ペット同伴を選ぶと、金額は「閑散期〜繁忙期」の幅で表示されます。一点の金額ではなく実際にありうる範囲をそのまま示す方式にしているので、ツール上の金額と公式サイトの金額がズレて見える場合でも、その幅の中に収まっているはずです。表示金額の根拠(公式運賃表のどの数字を使っているか)は各カードの「価格の根拠」欄に明記しています。
九州方面(7航路)
関西〜九州は最も便数が多く、大分・別府・北九州(新門司)・鹿児島(志布志)・宮崎の5つの港に、4社7航路が就航しています。
- 神戸⇔大分(さんふらわあ):阪九フェリー+JRとの比較記事/格安ツーリスト乗船記
- 大阪⇔別府(さんふらわあ)
- 神戸⇔新門司(阪九フェリー):「やまと」乗船記
- 泉大津⇔新門司(阪九フェリー)
- 大阪⇔新門司(名門大洋フェリー):「フェリーおおさかⅡ」乗船記
- 大阪⇔志布志(さんふらわあ)
- 神戸⇔宮崎(宮崎カーフェリー)
同じ「関西〜北九州」でも阪九フェリー(神戸・泉大津発)と名門大洋フェリー(大阪発)の2系統があり、名門大洋フェリーは1日2便運航している点が特徴です。乗船した阪九フェリー「やまと」と名門大洋フェリー「フェリーおおさかⅡ」はどちらも新しい船で快適でしたが、船内設備や部屋の造りにそれぞれ違いがあるので、乗船記もあわせて参考にしてください。
北海道方面(3航路)
関西から北海道へは、新日本海フェリーが舞鶴・敦賀の2港から就航しています。
- 舞鶴⇔小樽(新日本海フェリー):実際に乗船した航路です。丸1日近く船上で過ごすことになるので、船内で食事・入浴・仮眠がひととおりできることを事前に確認しておくと安心です
- 敦賀⇔苫小牧東港・直行便(新日本海フェリー):毎日運航で、関西〜北海道では最も日程を組みやすい航路です
- 敦賀⇔苫小牧東港・新潟/秋田経由便(新日本海フェリー):直行便より安く抑えられる場合がありますが、毎日運航ではなく週3便のみなので、旅程を組む際は運航日を先に確認してください
四国方面(1航路)
関西〜四国は、大阪⇔東予(愛媛)を結ぶオレンジフェリーが該当します。所要時間が約8時間と関西発の航路の中では短めで、22時発・翌6時着という夜行フェリーらしいダイヤです。
短時間で行ける航路(ジャンボフェリー・南海フェリー)
ここまでの11航路はすべて客室で一泊する長距離航路ですが、関西発着にはもうひとつ、日中に座席で移動する短時間タイプの航路があります。神戸⇔高松(小豆島経由)のジャンボフェリー、和歌山⇔徳島の南海フェリーで、部屋タイプという概念がなくシミュレーターとは料金体系が異なるため、上記ツール内に別枠の表でまとめています。ジャンボフェリーは高速バスとのセット活用記もあわせてどうぞ。
新幹線・飛行機・夜行バスとの比較
フェリーは移動時間こそ長いですが、「車ごと運べる」「移動中に寝られる」「宿泊費がかからない」という他の交通手段にはない強みがあります。大阪⇔別府を例に、ざっくりとした比較は以下の通りです(金額は目安・時期や予約状況で変動します)。
| 手段 | 所要時間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 飛行機 | 約1時間+空港移動 | 最速だが空港アクセスに時間がかかり、車は運べない |
| 新幹線+特急 | 約5〜6時間 | 乗換ありだが最も時間が読みやすい |
| 夜行バス | 約9〜10時間 | 価格は安いが車中泊で体への負担が大きい |
| フェリー | 約11〜12時間 | 車を運べる・寝ている間に移動できる・宿泊費が浮く |
「移動時間そのものを短くしたい」なら飛行機や新幹線、「車ごと現地入りしたい」「移動を宿泊代わりにしたい」ならフェリー、という住み分けで考えると選びやすくなります。
よくある質問
ペットと一緒に乗船できますか?
多くの航路でペット同伴が可能ですが、最安の部屋のまま無条件で乗れるわけではなく、別途「ペットルーム使用料」や専用室の追加料金がかかります。会社によって数千円程度の追加で済む場合と、専用の個室(1万円以上)が必要な場合があるため、シミュレーターの「ペット同伴」にチェックを入れて金額差を確認してから予約することをおすすめします。
相部屋(雑魚寝)と個室、どちらを選ぶべきですか?
1人・荷物少なめで移動費用を抑えたいなら相部屋タイプ、プライバシーを確保したい・グループや家族での移動なら個室タイプが向いています。相部屋と個室では料金が2倍以上変わることも珍しくないので、シミュレーターの「部屋タイプ」を切り替えて比較してみてください。
車を運ぶ場合、ドライバーの運賃はどうなりますか?
会社によっては車両運賃にドライバー1名分の旅客運賃(相部屋クラス)が含まれている場合があります。個室を使いたい場合は別途差額が必要になることが多いため、各カードの注記や公式サイトで確認してください。
繁忙期はいつ頃ですか?
お盆(8月上旬〜中旬)・年末年始・ゴールデンウィークが各社共通の繁忙期にあたります。シミュレーターの金額はその期間まで含めた「閑散期〜繁忙期」の幅で表示しているので、繁忙期に近い日程の場合は表示範囲の上限に近い金額になると考えておくと安心です。
揺れや船酔いが心配です
今回紹介した長距離航路はいずれも1万トン級以上の大型船で、揺れは比較的穏やかです。心配な場合は船の中央・低い階のフロアを選ぶ、乗船前に酔い止めを飲んでおくといった対策が有効です。
まとめ
関西発のフェリーは、九州方面だけで7航路、北海道・四国を含めると全11航路と、思っている以上に選択肢があります。今回のシミュレーターで自分の行きたい方面・使いたい部屋タイプ・車やペットの有無を入れて概算をつかんだうえで、最終的な予約は必ず各社の公式サイトで最新の運賃・空席状況を確認してください。

